昨年、幼稚園入園の面接を控え、毎日、長女とパパである俳優・和田正人さんと練習をしていた様子を話してくれた吉木りささん。第二子出産のときのエピソードも心温まるものでした。
「何歳ですか?」と自宅で幼稚園の模擬面接
── 娘さんは今年から幼稚園入園だそうですね。
吉木さん:ちょうど娘の幼稚園面接があった時期に、私は第二子を妊娠中。臨月で出産間近でした。だから、夫が面接に行くことになっていました。最初はのんびりしていたものの、途中でふと、親も子もいろいろ聞かれることに気づいて。ネットで調べてみて、よく聞かれるらしい質問を娘によくしていました。
毎日、ご飯中やリラックスしているなどに、すかさず「お名前はなんですか?」と聞くと、「(名前)でしゅ」と言ったり言わなかったり。「何歳ですか?」と聞くと、「さんさいでしゅ」とモジモジする、みたいな感じで。夫婦で「大丈夫かなあ」と話していたんです。当日は夫もビシッとスーツを着て、娘と一緒に幼稚園に行きました。面接の様子を見ていた夫は、「自分の仕事のときより緊張した」と言っていましたね。
── その幼稚園を選んだ理由はありますか?
吉木さん:地元の幼稚園なんですが、プールの授業に力を入れていて、習い事も充実しているのが決め手でした。リトミックや体操教室もあって、娘の好きなことを引き出してくれるかなと思いました。名門私立幼稚園みたいなところは最初から選択肢に入れませんでした。家から近いほうが送迎も楽だし、地域密着の園にしようと考えていました。
娘は夫に似て社交的なんです。幼稚園生活にも少しずつ慣れ、楽しんでくれるといいなと思います。 夫は幼稚園のすべての行事に参加しそうな勢いです。箱根駅伝の元選手だから「運動会の親子リレーは絶対優勝する」と大張りきり。1か月前からトレーニングして“感覚を取り戻す”と言っています(笑)。
出産で入院している間に「夫と娘」の絆が深まった
── 吉木さんが出産のため入院中は、ご主人と娘さんがふたりで生活されていたのですか?
吉木さん:そうです。夫はそれまで娘とふたりで長時間過ごしたことがなかったので、本当に大変だったみたいです。娘とふたりで生活していたとき、友だちと食事をする機会があったようで。そのときに入院中の私に電話をしてきて「子どもと外出するのはこんなに大変なんだね、りさは本当によくやっていたね」と話していました。
“えっ、今さらその感想?”って感じはしますけど、夫と娘の絆は深まったと思います。出産後、私が帰宅してから家族4人で食事をするとき、これまで娘は私のとなりに座っていたのが、夫の横に座るようになりました。夜中たまに娘が起きることがあるのですが、これまで「ママ、ママ」だったのが、「パパどこ?」と聞いてきて、そのときは感動しました。
とはいえ、最近はママっ子に戻ってきて、「パパと一緒にお風呂に入ろう」と誘っても「ママがいい」と言うようになって。それを聞くと、夫はちょっと泣きそうな顔をしています。
「長女の赤ちゃん返り」大変だけど愛情を注ぎ続けたい
── おふたり目のお子さんを出産され、娘さんも環境が変わったと思います。赤ちゃんと娘さんの関係はいかがですか?
吉木さん:最初のころは、娘もお客さんを迎える感覚だったのか、息子に優しくしていて「赤ちゃんにミルクあげよう」とか、「ママ、赤ちゃんが泣いてるよ」と、お世話してくれていました。でも、だんだん「この子、いつまでいるんだろう?いつもママのおっぱい飲んでるし…」とやきもちを焼くように。赤ちゃん返りもするようになりました。
私がどこかに行こうとすると「ママ、行かないで」と泣き、しまいには「私もおっぱい飲む」と言い出して。娘は1歳半くらいのときに卒乳したんですが、もともとおっぱい大好きな子だったんです。卒乳してからもおっぱいを触わりながら寝ていて、飲み方も覚えていました。
いまは赤ちゃんと娘を抱えて、ふたりがおっぱいを飲んでいます。大変だけど、両脇に子どもがいておっぱいを飲んでいる姿がすごく可愛くて幸せでもあります。
── とても娘さん思いのお母さんだと思います。
吉木さん:娘の気持ちがわかる部分もあるんです。「弟はおっぱい飲めるのに、私は飲めない」というのは、たしかにかわいそうだなと思って。妊娠中からお世話になっていた鍼灸師の先生が、発達トレーナーの先生でもあり、「子どもの赤ちゃん返りはどうしたらいいですか?」と相談したんです。
そうしたら、「おっぱいも愛情表現のひとつ。娘さんにはお母さんに愛されているとダイレクトに感じられる、貴重な時間だからとことん飲ませちゃっていいと思うよ」と言ってくれました。3〜4歳くらいの記憶は、大人になっても残っているもの。だから、その時期にしっかり愛情を伝えると娘の心にも余裕ができて、落ち着いてくると教えてくれたんです。その教えをもとに、娘のメンタルケアをしています。
── 第二子ができると、上の子をより気にかけたほうがいいともいいますね。
吉木さん:やっぱりママにかまってほしいんですよね。私が掃除や料理で忙しくしているときに限って抱っこをせがんでくるので、「じゃあ、一緒にお料理しよう。卵割ってくれる?」など、お手伝いをお願いするようになりました。
「あなたは必要な存在だよ、ママにとって大切な子なんだよ」と言葉でも態度でも示すようにすると、だんだん「抱っこして」と言うことが減ったんです。おっぱいの効果もあったようで、少しずつ赤ちゃんの面倒を見てくれるようになりました。これから仕事にも復帰しますが、やっぱり最優先は子どもたちですね。とはいえ、私は15歳からこの仕事をしているので、子どもたちには働く母親の姿を見せ、何かしら感じ取ってほしいとも思います。
PROFILE 吉木りささん
1987年生まれ。千葉県出身。2008年12月、歌手デビュー。2010年3月、バラエティ番組『キャンパスナイトフジ』出演後、グラビアやバラエティ番組など多方面で活動。2017年11月、俳優の和田正人さんと結婚。2019年に第一子となる女児を、2022年に第二子となる男児を出産。
取材・文/齋田多恵 写真提供/吉木りさ