「家事は『無理しない』を心がけています」と話す、女優の玄理さん。放送中のドラマ『弁護士ソドム』(テレビ東京系 毎週金曜日夜8時より放送)をはじめ、国内外の映画やドラマで活躍しています。仕事と家事の両立へのスタンスや料理上手なお母様のことなど、お話を聞きました。
「帰ってきたときに気持ちいい部屋」のために
── 海外作品も含めドラマや映画、雑誌のほか、コラムの連載などマルチに活躍されています。忙しいなか、家事との両立はどうしているのですか?
玄理さん:振りきって、「仕事が大事」という考えです。ただきれい好きなので、朝は出かける前、パックしている間に掃除したりして。家に帰ってきたとき気持ちいい部屋にしておくのは、精神衛生上、大事にしています。
できる限りのことはするけど、家事を“やらなきゃ!”と思って、ストレスを溜めてしまうことがないように…というのは意識しますね。
── 共働きのご家庭では、家事でストレスを溜めないため、あえて「分担を決めない」という話も聞きます。
玄理さん:無理をしないためにしているのは、「機械に任せられることは、機械に頼る!」ですね。たとえばロボット掃除機とか食洗器とか、自分でやらなくても機械が上手にやってくれることは、積極的にお任せしています(笑)。
筋トレにハマり中も「ひとりじゃ無理」
── 以前は「運動が苦手」だったのに、現在は筋トレにハマっているそうですね。
玄理さん:集団競技がダメで運動に苦手意識がありましたが、考えてみたらバレエのほかヨガを8年、ピラティスも3年くらいやっていて…。ひとりで体を動かすことは、わりと続けていたんです。
筋トレにハマったのは、韓国でピラティスと筋トレを一緒にやるトレーナーさんを紹介してもらったのがきっかけでした。当時やっていたのは、ピラティスだけ。それだけでも体のラインは整うけど、トレーナーさんの指導で筋トレを組み合わせたら2週間ですごく体が変わって。目に見える変化や効果が出るまで、結構時間がかかるものなのに、短期間で体の変化を実感できたし、「やっぱりある程度、筋肉も必要なんだな」とわかって続けています。
── 変化を実感できると、頑張れますね。でも筋トレなどは「あまり変わらないな…」って、続けるモチベーションが下がる時期がありませんか?
玄理さん:始めて3~4か月なので変化が停滞したり、実感できなくなったりは、まだありません。ただ語学もですが、上達って階段状だと思っているんです。
最初は小さいステップがたくさんあって、上がっていくのが感じられる。でも先へ行くと、ひとつずつの段差が大きくなって、1段上がるのに時間がかかるようになる…。変化がわかりづらくなっても、カクンと上がる日が来るのを「信じて続ければいい」と思える感覚があるので、踊り場的な時期が来ても大丈夫だと思います。
トレーナーさんの存在も大事です。正しいやり方もですけど、筋トレは「あと1回頑張れるか」で効果が変わるのも大きいし、ひとりじゃ無理(笑)。「キツイなあ」と感じるところを乗り越えるには、サポートが必要ですね。
── コロナ禍での海外移動の隔離期間中、縄跳びのしすぎでヘルニアになった玄理さんの場合、「やりすぎ」を止めてもらうためにもトレーナーが必要そうです(笑)。
玄理さん:あれね!することなさすぎて、縄跳びをやりすぎちゃったの…。軽度のヘルニアだったけど、びっくりするほど痛かったから「やりすぎ」加減はもう、一度で学習しましたよ(笑)。
料理上手な母「レシピはYouTube見て!」のワケ
── コラムの連載では、料理上手なお母様の話が印象的です。
玄理さん:娘の私が言うのもなんですけど、母は本当に料理が上手で。味はもちろんですが盛りつけもきれいで、器にもこだわるタイプ。私なんか到底およばないし、“ここまではできないな”って思います。
── 特に好きな料理や、よく作ってもらうメニューは?
玄理さん:なにを出されても美味しいから、かえって「あれを作って」みたいなことを言った覚えがないかも…。
── お任せメニューがどれも美味しいから、料理を選ぶ必要がないお店みたいな状態ですね。そんなお母様から受け継いだ、「わが家の味」はありますか?
玄理さん:見よう見まねで作ってはいますが、ちゃんと受け継いだレシピはないですね。
この前、母が作ってくれたプルコギが「お店!?」ってくらい美味しくて、レシピを聞きました。最初は説明してくれていたけど、材料もけっこう多くてめんどうになったのか、途中で「あとはYouTubeを見て」って(笑)。
── そんな展開に…(笑)。
玄理さん:母は「こうしなさい」って押しつけが、一切ない人なんです。だから料理も「教えてくれない」んじゃなく、レシピで「この通りにしなさい」みたいにするより、見よう見まねで私が思うようにつくるほうがいいと、考えているのかもしれません。
抜群のスタイルなのに「夜、ラーメン」!?
── 見よう見まねで料理をするとのことですが、ササッとつくる感じですか?
玄理さん:そうですね。もちろん美味しいものは好きだけど、特にこだわって料理をするタイプではないです。私たちの仕事では、1日3食ロケ弁が当たり前という日も多いので、自分で作るものは野菜多め。体を冷やしてしまうから、生野菜は夏以外、食べないようにしていて…。あと筋トレをしているので、タンパク質は多めに摂るように意識しています。
私、放っておくと、お米とかラーメンばっかり食べちゃうんですよ(笑)。
── そのスタイルで、ラーメンが好きとは…。
玄理さん:大好きです(笑)。韓国ドラマとかでラーメンを食べるシーン、観たら食べたくなりません?「美味しそうだな」って思うと、夜でも作って食べちゃいます。
── しかも夜、ラーメン食べちゃうんですか!?
玄理さん:撮影の前日はさすがに控えますけど、週1くらいは…。辛いのが好きですね。今、共演している光石研さんとも「インスタントラーメン、美味しいよね」って話で、盛り上がっています(笑)。
PROFILE 玄理さん
1986年東京都出身。日本語・英語・韓国語のトリリンガルで、女優として国内外の作品に出演のほか、コラム連載などマルチに活躍。4月より『弁護士ソドム』(テレビ東京系)に若松まどか役で出演中。
取材・文/鍬田美穂 撮影/二瓶彩 ヘアメイク/yumi(Three PEACE) スタイリスト/松田晃斉