「子どもができて、感じ方が変わりましたね」と話す高橋光臣さん。現在放送中のドラマParavi『隣の男はよく食べる』(テレビ東京系 毎週水曜深夜24時30分より放送)に、篠原一義役として出演中です。プライベートでは5歳と3歳の息子の父でもある高橋さんに、普段の様子や子育てについてなど、お話を聞きました。

 

俳優の高橋光臣さん
キリリとした精悍な表情が魅力的な高橋さん。2児の父の顔も

期間限定だった《俺のいいわけダイエット》

── Instagramではプライベートに加え、作品のオフショットなども投稿しています。最近は更新されていませんが、夕張メロンをクールに掲げたり、ブロッコリーをマイクに見立てて熱唱したりする《俺のいいわけダイエット》シリーズの密かなファンです。

 

高橋さん:実は期間限定でやっていたもので、今はやっていないんです。フリーで活動していた時期、少し時間の余裕もありましたし、応援してくださるファンのみなさんに心配をおかけしないよう、「楽しいものをお届けしたい」と考えて、その期間だけ取り組んだ企画でした。

 

── そうだったんですね。撮影がすごく凝っていて、設定や構成を考えるのも、すごく大変そうというか…とにかく力作でしたよね。

 

高橋さん:実際やってみたら、意外と大変でした。せっかくなら「美しいもの」「笑っていただけるものを」と思い、いろいろ考えて始めましたが、“ちょっと自分には、合わなかったかな”と(笑)。やっぱり本業は役者なので、芝居をお見せするのを大切にしたいですし。

 

今後、仕事に絡めて、さまざまなチェック体制なども整えてできる企画があれば、また違った形でやれるといいですね。

 

── 過去のインタビューでは、「つい面白いことやりたくなっちゃう」とお話しされています。コミカルな面は、やはり大阪出身の血が騒ぐみたいなところがありますか?

 

高橋さん:笑いという点では、「私の苦痛が、誰かが笑うきっかけになるかもしれない。しかし、私の笑いが、誰かの苦痛のきっかけになることだけは絶対にあってはならない」という、チャップリンの名言があって。自分が笑いを取ろうとして、誰かを傷つけるのは嫌で、自分が傷ついても、誰かが笑ってくれるならOKというスタンスですね。

 

Instagramに投稿していた《俺のいいわけダイエット》シリーズは「俺とメロン」以外にも、コミカルな「俺としらす」ほか、クールでユニークな高橋さんの一面が

トレーニングを続け「30代よりも今のほうが」

──「目標は80歳になってもハイキックが蹴れる男になることw」と投稿されていました。かなり鍛えてらっしゃる印象がありますが、トレーニングはどれくらいしているのでしょう?

 

高橋さん:僕の場合は、1日1時間か1時間半くらいのものですよ。「常に動ける体にしておきたい」というのがあるので、10分くらい走って体をほぐしてから、蹴りだったり、木刀で型の練習だったり。

 

── 木刀で型の練習というのは、やはり殺陣の基本としての鍛錬ですか?

 

高橋さん:殺陣もありますが、通っている稽古で「100回振れば100回なりの真直(しんちょく=太刀筋が真っ直ぐな様)、1万回やれば1万回なりの、100万回なら100万回なりの真直になる」という教えがあり、修練を重ねています。

 

いろいろ実験しながら毎日やっていると、体の入れ方も変わってきますし、積み重ねて得られる感じ…って、わかりますかね?

 

俳優の高橋光臣さん
毎日のトレーニングで鍛えているだけに、スーツ姿が素敵な高橋さん

── 父が剣道の経験者で木刀を振っている背中を見ていたので、イメージはわかります。そうした修練は、毎日?

 

高橋さん:以前は週に2回程度でしたが、今は毎朝、子どもが起きる前にやっています。体が硬くて腰痛持ちでしたが、毎日続けるうち開脚もしっかりできるようになったし、腰痛もなくなり、30代よりも41歳の今のほうが動ける実感があります。

 

ただ子どもが起きるまでに…と思うと、だんだん早い時間になって、もうおじいちゃんみたいに早起き(笑)。走る時間が早いため、高齢の方々とランニング友達になっています。

 

── お子さんが起きる前ということは、一緒に走るなどはまだ?

 

高橋さん:最近はできることも増えましたが、もうちょっと大きくなって、一緒にできるようになるといいですね。トレーニングじゃないけど、15kgあるから抱っこするのも重いし、夜は早く寝かせるために、日中しっかり遊ばせて体力を削るのも大変で…(笑)。

 

俳優の高橋光臣さん
お子さんの話では自然と優しい笑顔がこぼれる

自分の子どもができて見方が変わった

── 家にいるとき、やっている家事はありますか?

 

高橋さん:できないことはないのですが、同時にいろいろやるのが苦手で、家事はそれほど…。でも皿洗いは好きなので、溜まっていたら積極的にやりますよ(笑)。食器洗いって没頭できるし、スッキリするのがいいですよね。

 

家事そのものはあまり戦力になりませんが、子どもがいると片づかないことも多い。僕が息子たちを連れ出すなどの面で、できるだけ妻をサポートするようにしています。

 

── 息子さんは5歳と3歳。家で一緒にすごすときは、どんなことを?

 

高橋さん:一緒にいられるときは、いろいろなことを教えていますが、英語だと語彙力は子どものほうが上で、完全に負けます(笑)。

 

上の子が3歳のとき修練の「100回振れば100回なりの真直」の話をして、毎日お風呂で100まで数えさせるのを始め、5歳の今では九九を全部言えるようになって…。人間の成長というものを実感しますよね。

 

── 5歳で九九は、すごいですね。お子さんを持ったことで、ご自身の変化はありますか?

 

高橋さん:昔は子どもが苦手だったんですよ。どう接すればいいか、わからなくて…。そのせいで「子どものかわいさ」というのも、ピンとこないところがありました。

 

それが自分の子どもができて、見方が変わりました。自分の子どもだけでなく、今は他人の子どもも「かわいいな」と。ニュースを観ていて子どもの話題になると、もうそれだけで泣けてくる…。「こんなに変わるものか」と、自分でも驚いています(笑)。

 

俳優の高橋光臣さん

 

PROFILE   高橋光臣さん

1982年大阪府出身。2005年より俳優として映画やドラマ、舞台など幅広く活躍。プライベートでは5歳と3歳になる男児の父。4月12日より『隣の男はよく食べる』(テレビ東京系)に篠原一義役で出演中。

 

取材・文/鍬田美穂 撮影/二瓶彩 写真提供/高橋光臣