恋を忘れていた35歳独身女性の心情が「リアルすぎる!」と話題のドラマParavi『隣の男はよく食べる』(テレビ東京系 毎週水曜深夜24時30分より放送)。主人公・大河内麻紀(倉科カナさん)の頼れる上司で、新たな恋愛模様を予感させる篠原一義役・高橋光臣さんに、作品の魅力や撮影の様子など、お話を聞きました。

 

俳優の高橋光臣さん
大人の色気を感じさせるだけでなく“ザ・理想の上司”役の高橋さん

大人が「いいな」と思えるラブストーリー

── 4月にスタートした『隣の男はよく食べる』は、同名の人気コミックスが原作。仕事に打ち込んで、恋はご無沙汰していた料理上手な独身女性の主人公・麻紀が、菊池風磨さん演じる年下男子・本宮蒼太と出会い、戸惑いながらも久しぶりの恋に踏み出す姿が人気を集めています。

 

高橋さん:現代女性の恋愛観がコミカルに、美しく、リアルに描かれています。30代・40代の女性が観て「フィクションだから」とか「こんなこと起きないよ」なんて思ったとしても、きっと麻紀に共感できるところが多いし、自分の気持ちとリンクして楽しめるドラマ。

 

麻紀と蒼太のラブシーンは大人の色気がありつつ、すごくきれいで見惚れるというか…。大人が「いいな」と感じられるラブストーリーに仕上がっていると思います。

 

── 高橋さんが演じる篠原は、娘を持つシングルファーザーであり、頼れる理想の上司で大人の男性。中盤からの展開に影響を与える人物です。

 

高橋さん:篠原はもちろん仕事ができて、部下への気づかいだったり、サポートやフォローだったりが完璧にできる。大人の男としての色気もあり、上司としても尊敬できる、魅力的な男性です。

 

いっぽう、シングルファーザーで大切な娘がいて、ちょっとしたことでも心配してしまう。働いている姿とプライベートでは、落差があると思うんですよね。

 

さらに、恋愛してしまうと、完璧な篠原像が崩れていく…。男としての弱さというか、面白さを出したいと思っていて、観てくださる方に「いいな。男性として、かわいい人だな」と感じていただける、かわいげのあるキャラクターになるよう意識しました。

 

俳優の高橋光臣さん

牽制し合う役だけど会えると嬉しくて…

── 会見でも共演者のみなさん、和気あいあいとしていましたが、撮影現場の雰囲気はどうでしたか?

 

高橋さん:とても楽しい現場で、W主演の倉科さんと菊池さん、お二人ともスッと立っているだけでたたずまいが美しい。

 

篠原は理想の上司で大人の色気を出さないといけないし、スマートな男の役なので「これと闘わないといけないのか!?」と、すごいプレッシャーで(笑)。

 

撮影前に菊池さんのインタビューが載っている雑誌を見たら、すごくいい体しているし、同じシーンで倉科さんのきれいな立ち姿を見て、「ちょっと猫背になってくれないかな」と思っちゃったりして…。そういう意味では、恐ろしい現場でしたね(笑)。

 

『隣の男はよく食べる』記者会見の様子
撮影当時のエピソードが次々と飛び交い、登壇者全員が笑いっぱなしだった記者会見。左から山田さん、倉科さん、菊池さん、高橋さん

── みなさん、アドリブも多かったとか…。

 

高橋さん:麻紀の同僚・町田桜役の山田真歩さんと「このシーンはアドリブで、関西弁でやろう」と話していたのに、本番で打ち合わせしていたことを山田さんに忘れられて…。僕だけ関西弁で話し出し、カットがかかったのも、いい思い出です(笑)。

 

── 現場では菊池さんと、たくさんお話ししたそうですね。

 

高橋さん:お互いにピリピリするような役だと、普通は役づくりのため話さないようにすることもありますけど、菊池さんとは牽制し合うくらいの役どころだったので。一緒のシーンは少なかった分、会えると嬉しくなっちゃって(笑)。話しかけすぎてセリフのお邪魔になっていないか、ちょっと心配になったくらい、撮影が同じ日は楽しくお話しさせてもらいました。

 

俳優の高橋光臣さん
菊池風磨さん演じる年下男子vs高橋さんの大人の魅力も楽しみ!

いくつになっても恋愛する気持ちは大事

── 公式サイトでは、「40代男性の現実と揺れる恋にも注目してほしい」とコメントされていました。

 

高橋さん:今41歳で、周りの同年代の人たちからは、「出会いがない」という話をよく聞くんですよ。仕事が充実していて、忙しいというのも大きいんでしょうけど、「恋愛しないのは、もったいないな」と思います。

 

── 年齢に関係なく、「恋する気持ちは、あったほうがいい」ということですね?

 

高橋さん:男女や年齢に関係なく、好きな人がいるときの気持ちって、人生で素晴らしい時間じゃないですか。悩んだり、泣いたり、苦しいこともあるかもしれませんが、それ以上に喜びを得られる。仕事もプライベートも、恋愛していると充実感が増すのは、人間だからこその感情だと思います。

 

30代・40代でも、それは変わらないと思うし、いくつになっても恋愛する気持ちは大事。心のなかで想うことは自由で、好きな人ができたら、自分に嘘をつく必要はないと思いますね。理想は夫や妻に恋し続けられることですが、不倫をテーマにしたドラマが多いのは、そういうところもあるんじゃないかと。

 

俳優の高橋光臣さん

 

PROFILE   高橋光臣さん

1982年大阪府出身。2005年より俳優として映画やドラマ、舞台など幅広く活躍。プライベートでは5歳と3歳になる男児の父。4月12日より『隣の男はよく食べる』(テレビ東京系)に篠原一義役で出演中。

 

取材・文/鍬田美穂 撮影/二瓶彩