愛犬の三九(ミク)も一緒に家族そろって、パンサーの尾形貴弘さんと妻のあいさん
愛犬の三九(ミク)も一緒に家族そろって

お笑いトリオ「パンサー」の尾形貴弘さん(45)と結婚してから6年。家事が苦手で育児が思うようにいかないと話すあいさん(39)ですが、アパレルショップを出店しました。(全3回中の1回)

「娘の服のほうが多いのはナゼ?」

── 素敵なお店ですね。東京の高円寺に「MINT」をオープンしたきっかけを教えてください。

 

あいさん:結婚前はアパレル業界で働いていて、洋服や子ども服が好きなので、自分の娘(さくらちゃん・5)にはこういう服を着てもらいたいという思いがきっかけです。夫に「オレの服より、さくちゃんの服が多いのはなんで?」と聞かれるほどです(笑)。

 

ご縁があり、私が利用していたアパレルのネットショップのオーナーから教えをこい、ネット販売から始めました。

 

最初はセレクトショップでしたが、「自分でも洋服を作りたい」と考えるようになり、オリジナルで製作して販売したところ反応がよかったので、店舗も開くことになりました。

 

もともと、高円寺周辺は洋服店や古着のお店は多いのですが、子ども服を取り扱っているところは少ないので、あればステキだなと思っていました。

 

いわゆるブランドとしてではなく、自分が着たい服や、子どもに着せたい服をじっくり作っていきたいですね。

 

パンサー・尾形貴弘さんと長女のさくらちゃんは仲良し
尾形さんとさくらちゃんはいつも仲良し

精神的なバランスをとるために

── ブログでは家事や育児が大変だと訴えていますが、アパレル出店でさらに大変にはなりませんでしたか?

 

あいさん:そもそも、家事が得意ではなくて、夫も仕事柄、家を空けることが多くワンオペが続いていました。さらに、コロナで家にこもりがちになった時期に、唯一の楽しみが洋服のネットショッピングという状態でした。

 

そういうなかで、家事や育児に加えて仕事量を増やすというよりは、精神的なバランスをとるために始めてみました。仕事でも自分が好きなことをすれば、モヤモヤが発散するかなと思ったんです。

 

ちょうど娘が幼稚園に入るタイミングでしたし、アパレルの仕事は楽しくてしようがないので、気持ちに余裕ができました。相変わらず家では怒ってはいますが(笑)。

 

── 結婚して家庭に入るときは、仕事に心残りはありませんでしたか?

 

あいさん:今、考えると未練が残っていたからこそ、こうして仕事をしているのかもしれませんね。日々、小さい子どもとふたりだけで、話し相手もなく過ごしていたことも、原動力になったのかもしれません。

 

家族3人で写るパンサー・尾形貴弘さん一家
家族3人で

オトコの影を感じなかった

── 尾形さんは快く賛成してくれましたか?

 

あいさん:もともと、すごく疑い深い性格で、私が遊びに行ったり働こうとしたりすると、その先にオトコの影があるのではと心配するのですが、子ども服にはそれを感じなかったようです(笑)。真面目に熱意をもって説明したら、応援してくれました。

 

たまにふらりと店に来て「オレの店なので買っていってください」と店番をしていることもあります。娘も誇らしく思ってくれて「どうぞ買ってくださ~い」と店の外で呼び込みをしてくれます。

 

── あいさんがショップ経営をすることになり、尾形さんに変化はありましたか?

 

あいさん:もともと、マイペースの“昭和の男”で、家のことはまったくできない人ですが、娘の幼稚園の送り迎えや犬の散歩はしてくれるようになりました。娘に「ママは今日、お仕事で疲れているから」と言ってくれるようにもなりました。だから洋服の仕事を始めて困ったことは、何もないですね!

 

── これからお店をどう展開していきたいと思っていますか?

 

あいさん:「家族」をテーマにしているので、お子さんだけではなく、子育て中や子育てを終えたママにも着てもらえるような服を作っていきたいです。さらに、私のように子育てに悩んでいるママ向けの商品も検討していて、海外の人とも交渉をしているところです。

 

PROFILE 尾形あい さん

1984年、静岡県生まれ。アパレル会社勤務をへて、2017年に「パンサー」の尾形貴弘さんと結婚。’20年、セレクトショップ「MINT」をネットで、翌年には店舗もオープン。5歳長女の育児にも奮闘中。

取材・文/CHANTO WEB NEWS 写真提供/尾形あい