「高校生のときの自習時間に、自分の人生をノートに書いてみたんです」と話す、ダレノガレ明美さん。毒舌キャラで人気者の彼女が描いていた人生観。恐れ入りました。

 

美しきお母様も登場!ダレノガレ明美さんの七五三のときの画像

スタッフのお弁当も準備する「裏方仕事は好き」

── ダレノガレさんは5年前に起業、スキンケア製品の開発やプロデュースをしています。新商品の撮影現場ではモデルもこなしつつ、スタッフ用のお茶をコンビニで買いこんだり、何でもご自身でこなされているとか。

 

ダレノガレさん:なんでもやります(笑)。スタジオのリサーチやメイクの選定や、衣装のセレクト、撮影内容の提案も自分でします。香盤表(撮影進行や役割分担表)もチェックしますし、お弁当の準備も。

 

── ダレノガレさんは社長ですしモデルさんなので、裏方はしないと思ってました!

 

ダレノガレさん:よくイメージと違うって言われます。テレビでの毒舌キャラの影響か、怖そう、偉そう、って。でも、スタッフを少なくしていることもあり、自分でできることはなんでもやります!しかも私、裏方仕事が大好きなんですよ。いや、裏方のほうが好きかもしれない。

 

── 裏方が好きな理由はあるのでしょうか?タレントとして表に出る仕事が中心かと。

 

ダレノガレさん:高校生のとき、バイトをかけもちしまくって、いろんな業種を経験して、裏方のほうが好きだって気づいたんです。

 

クッキー屋さんでは販売よりも、朝5時からクッキーを作ったり、掃除するほうが好きでした。そうそう、掃除も大好き。ドラッグストアでも、品出しや掃除が好きでしたね。早朝のコンビニでもはりきって品出しをしていましたし。

 

高校時代のダレノガレ明美さん
バイトに明けくれた高校時代のショット

── 朝5時から!どのくらいバイトしてたんでしょうか?

 

ダレノガレさん:平日は放課後の17時から22時まで。土日は早朝3時に起きて、5~7時までクッキー焼いたり、早朝のコンビニで働いて、その後、休憩をはさんで22時までドラッグストアとか。

 

「学費は親が持つけど、それ以外の通学やスマホ代などは自分で払いなさい」という両親の方針によるものです。自分でも18歳になったら車の免許をとると決めていたので、綿密に計算しながら働きました。

 

── バイトで学んだことが、現在の社長業にも活きていますか?

 

ダレノガレさん:はい!仕事への姿勢はもとより、どう動けば物事がまわりやすいかとか、周囲とのコミュニケーションも。当時は大変でしたが、バイトをたくさん経験しておいてよかったです。

タレント事務所の社長に「27歳で起業」を宣言

── バイト経験から得たものは大きかったんですね。中学時代からオーディションを受けて芸能界を目指していたそうですが、起業はいつから考えていたのですか?

 

ダレノガレさん:高校の自習時間に、ふと思い立ってノートに人生設計を書きこんだんです。「26~27歳で女社長になる」って。父が自営業なのでその影響もあるかもしれません。目標の年まで10年近くあるけど、起業までにどのくらい貯金できるだろう。実家暮らしでバイトしまくれば1000万円も夢じゃない?とか。どうしたら実現できるかをひたすら考えました。

 

その一方で、もともと芸能界に憧れていたので何度かオーディションを受けました。両親は「芸能界は怖いところ」だと反対しましたが、20歳過ぎたら自分の意思で行動しようと考えて、事務所に入りました。

 

バイト時代から始まり現在まで、写真つきでメモを書き残す

── でも、いずれは起業すると決めて。

 

ダレノガレさん:はい。事務所に入るときに「27歳くらいで起業したい」と社長に伝えました。そのために「脱ぐ」以外はなんでもしますって。社長は“ふーん”て感じで、「まぁそのときになったら考えよう、まだ時間はあるからね」って。

 

── 芸能事務所に入るときに「将来、起業します!」と、宣言する人は珍しいですね。

 

ダレノガレさん:そうですね。2012年に『JJ』でデビューしましたが、モデルやタレントをしながらも、ちゃんとお金を貯めないと、そのためにも売れないといけない、と考えていました。

6時に海外へ向かい深夜に帰国する生活でパンク

── 実際に会社を立ち上げたのは2017年、27歳のとき。宣言どおりですね!

 

ダレノガレさん:会社を作って、アパレルを始めたんです。生地選びからデザインまで全部考えて、こだわりました。早朝6時台の飛行機で韓国に行って、市場で布を選んで、夜10時くらいのフライトで戻る日帰り出張も。空港で買ったキンパ(韓国風巻き寿司)をほおばりながら、移動したり。

 

── 全部おひとりで!?すごくパワフルです。

 

ダレノガレさん:マネジャーや、当時のアパレルチームのスタッフに手伝ってもらうこともありましたが、アドバイスをもらいながら、自分の目で見て納得したいと思っていたので、すべてを把握できるようにしていました。

 

ダレノガレ明美さん
CAROME.Skinのオリジナル箱を手にするダレノガレさん

やることがいっぱいでパンパンになり、「もう洋服が嫌いになりそう…これはよくない」と、コロナ禍の前にアパレル事業をきっぱりやめました。「ダレノガレさんの洋服を結婚の挨拶に着て行ったら、婚約者のママにほめられました」など、嬉しい反応もいただいたのですが…。このときは、本当は何をやりたいのか考えましたね。

 

── アパレルをやめて、スキンケアを始められた理由は?

 

ダレノガレさん:私自身、肌が敏感で肌荒れがひどかったんです。ホームケアでいろいろ試していたのですが、なかなか。保湿力を高めようとパックをよく使っていましたが、合うものがなくて。とくにパックがすぐはがれ落ちるのがストレスでした。パック中もいろいろやりたいのに…って。

 

同じように感じている人たちが多いのを知って、肌が弱い人も使える、自分が欲しいパックを作ることにしました。肌に密着してはがれ落ちないから、つけながら洗い物など家事もできて忙しい人でもOKのパック。それが、発売したらすぐ売り切れになり、“ああ、私のアイデアは間違ってなかったんだ”って。

 

今後も、自分が立ち上げたブランド「CAROME. Skin(カロミースキン)」で、女の子の肌の悩みやコンプレックスに寄り添う商品を作ろうと決意しました。

 

PROFILE ダレノガレ明美さん

ブラジル人と日本人のハーフの父と、イタリア人の母を持つ三世。2012年5月にモデルデビュー。テレビ番組では、読売テレビ「ダウンタウンDX」等数々のテレビ番組に出演。イベントやプロデュース業をはじめ、さまざまな分野で活躍中。2017年に起業し、CAROME. Skin(カロミースキン)を経営。

 

取材・文/岡本聡子 写真提供/ダレノガレ明美