働く女性が少なかった時代「ワーキングマザー」として生きた鈴。彼女の生き方は、育児と仕事の両立に悩む私たちの心を励ましてくれます。保育園全滅で職場復帰を断念した女性が、祖母の生き様に触れて、自分の生き方を見つめ直していくストーリー。作者・芸子さんが、実の祖母を描いた作品です。
父親と末の妹を亡くした悲しみに暮れる暇もなく、終戦を迎えた鈴たち。鈴の兄・武は一家で洋品店を開くことを思い立ち、大繁盛させます。
一方、鈴と同窓だった八重は、戦争によって境遇が一変。裕福な生活をしている鈴と素直に接することができません。八重は、鈴との思い出を振り返るなかで自分の気持ちと向き合っていきます。
【第28話】「なんで…?なんであの子ばっかり」問題児なのに愛される子への憎悪
厳格な家庭で育った八重は、学校や家庭で愛されている鈴を受け入れることができません。「最後に頭を撫でてもらったのはいつか」も思い出せない八重の気持ちは、鈴への憎悪としてくすぶるのでした。
作/芸子