ベイスターズで活躍したラミレスさん(48)と結婚するまで、美保さん(40)はアパレル企業でバリバリ働いていましたが、妊娠後はそのキャリアに未練はなくなったそうです。(全4回中の4回)
家庭とは別人
── プロ野球選手、監督として活躍していたラミレスさんですが、家庭ではどんな人ですか?
美保さん:監督をしているときからそうでしたが、オンとオフがはっきりとしていますね。最近もWBC関連のインタビューを受けているときは、家庭とは別人のようにみえました。チームが連敗していたときも、その雰囲気を家庭に持ち込むことはなく、私のほうが心配するくらいでした。
3人目(リアちゃん・3)の授乳が3時間ごとに必要だった時期も、別の部屋で寝ることを提案しましたが、「僕がプレーするわけではないから」と割りきっていましたね。
仕事と育児の両立は無理
── 美保さんは学生まではチアリーディングを、その後はアパレル会社で働いていたそうですが、出産後のキャリアはどう考えていましたか?
美保さん:結婚して妊娠するまでは、外資系のアパレル会社で正社員として働いていました。でも、私の性格上、仕事と育児の両立は無理だと考えていたので、その分を育児にすべて注ぎこむつもりでした。産休や育休もとらずスパッと辞めさせてもらい、長男(ケンジくん・7)と次男(ジュリくん・5)を出産し、その後、仕事に戻りたいとも思っていませんでした。
だから、現在行っているスポーツジム(クロスフィット モトマチベイ)や「バモス トゥギャザー」(チャリティー団体)の運営と育児の両立は、ものすごく大変です。両立させているママは本当にすごいと思います。
人にお願いする勇気をもつ
── 苦手意識のあった育児と仕事の両立をどう克服しましたか?
美保さん:ジムもチャリティーも夫が持ち込んできた話で、ジムは彼が監督をしていて私が臨月のときだったのですが、「誰がやるの?」という感じでした(笑)。ただ、それで気づいた大切なこととしては、自分ひとりでできることには限界があるので、人にお願いする勇気をもつ、ということです。
やはり私にとっては、育児が最優先なので、午後3時以降はパソコンを開かない。だから返事が遅くなることは周囲には伝えています。ああしたい、こうしたいと口出しはしたくなることもありますが、信頼できる人に任せることは大切ですね。
自分自身の健康を大切に
── これから、どんな40代を過ごしていきたいですか?
美保さん:やはり、いちばん大切にしたいのは家庭ですね。だから、最初に自分自身の心の健康を大切にしたいです。家庭において母親は重要な存在で、どの家庭でもお母さんが我慢をして犠牲を強いられる傾向があると思います。そうすると余裕がなくなり、いざこざも増えます。だからこそ、まず自分自身の健康を保ち、家族を大切にしていきたいです。
私は今、アンゲを産んでから9か月で、産後うつというほどではないと思いますが、ホルモンのいたずらでイライラしてしまい、4人目になっても慣れない感覚です。
また、健康を保ったうえで、子どもたちの自立を促していきたいですし、家族には何でも言える環境を整えたいですね。私の経験からですが、思春期になると母親を心配させまいと、自分の悩みを打ち明けにくいものです。だから、何でも話すことができる家庭を築いていきたいです。
PROFILE ラミレス美保さん
1982年、東京都生まれ。大学卒業後、アパレル会社勤務をへて2015年に横浜DeNAベイスターズ監督(当時)のアレックス・ラミレスさんと結婚。’19年に「クロスフィット モトマチベイ」、’20年に一般社団法人「バモス・トゥギャザー」を設立。4人の育児に奮闘中。
取材・文/CHANTO WEB NEWS 写真提供/ラミレス美保