夫のラミレスさん、4人のお子さんと一緒の美保さん
夫のラミレスさん、4人のお子さんと

元横浜DeNA監督のラミレスさん(48)と結婚してから8年が経つ美保さん(40)。4人目を出産して周りからの支援は絶えませんが、「すみません」という言葉が感謝に変わってきました。(全4回中の1回)

3人目から変わった心境

── 日曜日の朝(取材日)からすみません。よろしくお願いします。

 

美保さん:いえいえ。日曜の朝のほうが家族はみんなゆったりで、時間が取りやすいんです。平日だと時間との戦いでウワーとなっているので(笑)、休日だと助かります。

 

── 4人目のお子さんのアンゲくんを出産して9か月ほどですが、いかがですか?

 

美保さん:大変だと思ったことは、1度もないですね。長男のケンジ(7)は何もかもが初めてでしたし、次男のジュリ(5)もすべきことが増えたので大変。3人目の長女・リア(3)になると親の数より多くなりきつくなりますが、ある種の“あきらめ”ができました。

 

「これはできないよね」、「しようがないよね」となってきたので、4人目はその延長戦上でつらいことはなく、かわいいだけですね。5人目となるとまた話が変わってくるかもしれませんが(笑)。

 

4人目のアンゲくんを出産した直後の美保さんとラミレスさん
4人目のアンゲくんを出産した直後の美保さん

意識が強すぎた

── そのあきらめとは、どういうものですか?

 

美保さん:周りからのサポートがあると、最初のころは「すみません」と謝っていたのが、最近は「ありがとうございます」と感謝を言えるようになったことですかね。ごはんを食べないときがあっても、かつては「栄養がたりなくなる」と困っていましたが、最近は「そういう日もあるよね」と思うようにもなりました。

 

特に最初の子はダウン症で、他の子と比べるとどうしても成長がゆったりで、突然転んだり、ジュースを逆さにしてジャーっとしたりするようなこともありました。だから、きちんと世話をしなくてはいけない、周りに迷惑をかけてはいけないという意識が強すぎたのだと思います。

 

── 4人もいると、すべてのお子さんに目が届きにくいということもありますか?

 

美保さん:そうですね。外出をするときも、4人にすべてを行き届かせようとすると、無理があるので、手伝ってくれたり遊んでくれたりする人がいれば、素直に感謝を伝えるということです。

 

長男のケンジくんとラミレス美保さん
長男のケンジくんと

「神様からのギフトだ」

── 1人目のケンジくんはダウン症をもって生まれてきましたが、どう育ててきましたか?

 

美保さん:やはり最初はショックでしたが、夫から「神様からのギフトだ。大切に育てよう」と言われ、前向きになれました。どうしても成長はゆっくりで、できないこともありますが、頑張ればできるようになりますし、コミュニケーションはとれるので、かわいい子ですね。

 

2人目になると、そこまで手がかからず、子どもは勝手に育つんだという印象でしたね。確かに子どもは生まれた瞬間から、親とは別の個体ですが、それを実感しました。

 

── アンゲくんはほかの3人と比べると、どんなお子さんですか?

 

美保さん:人見知りせず、ニコニコとずっと笑っていて癒やされます。子どもの表情は、親の精神状態の影響を受けると思いますが、3人のことでイライラがあると、4人目の笑顔が癒やしてくれるので、すごくいいタイミングで生まれてくれたと思います。

 

ラミレスさんと美保さん
ラミレスさんと

長男のための“チーム”が必要

── 結婚当初からお子さんはたくさん欲しいと思っていたのですか?

 

美保さん:私は2人くらいかなと考えていて、夫は4人と言っていましたが冗談だと思っていました(笑)。

 

ただ、1人目の子がダウン症だったので、将来のことを考えると彼を支えてくれる「チーム・ケンジ」が必要だということになり、多いほうがいいと思うようになりました。2人目も男の子でしたが、夫が男の子は外に彼女や妻ができると、家に寄りつかなくなるかもしれないから、女の子が必要とリアが産まれ、アンゲが続きました。

 

PROFILE ラミレス美保さん

1982年、東京都生まれ。大学卒業後、アパレル企業勤務をへて2015年に横浜DeNAベイスターズ監督(当時)のアレックス・ラミレスさんと結婚。’19年に「クロスフィット モトマチベイ」、’20年に一般社団ギ法人「バモス トゥギャザー」を設立。4人の育児に奮闘中。

取材・文/CHANTO WEB NEWS 写真提供/ラミレス美保