突然泣き出す子ども。話を聞いてみると…?ゴルシさおりさん(@goldship_saori)がTwitterに投稿した漫画「娘が仲間はずれにされたと号泣した話」が話題になっています。

漫画「娘が仲間はずれにされたと号泣した話」
漫画「娘が仲間はずれにされたと号泣した話」P1

動揺を隠せない親がとった対応とは

「漫画は、現在8歳になった娘が5歳のときの話です。第一子の子育てはすべてが初めての出来事で、動揺したり悩んだりすることばかりだと思いますが、これは私にとってもまさにそんな事件でした」というゴルシさおりさん。

 

漫画は、とある日の幼稚園のお迎えのシーンから始まります。ゴルシさんが娘のゆかちゃんを迎えに行くと帰り道に突然号泣しはじめ、「みんなに仲間はずれにされた」と打ち明けます。それを聞いたゴルシさんは「5歳にしていじめが?そんな怖いことが起きているの?」と心のなかで独り言を繰り返すばかり。動揺が隠せません。

 

でも、ゴルシさんはつとめて冷静に「どうしてそうなったのか」を尋ねます。すると、つみきで遊んでいたお友達と遊んでほしくて、つみきに乗ってしまい、お友達2人を怒らせてしまった。結果、一緒に遊んでもらえずひとりで遊ぶことになったという経緯が判明します。

 

話を聞いたゴルシさんは「それは仲間はずれではないよ」と、解釈の違いを優しく説明します。「何もしていないのに『もう遊ばない!』『こっちに来ないで!』と言われたら仲間はずれだけど、今回の原因はつみきの途中にゆかちゃんに乗られたことがお友達も頭にきて悲しかったのでは?」と問うと本人も理解し反省。悲しかったことをねぎらいつつも、お友達がどう思ったかに気づくよう諭したのでした。

 

「明日ごめんなさいするよ」と決断し布団に入る娘を励まし、翌朝いつものように見送るゴルシさん。内心は心配でソワソワし、気が気じゃないままお迎えの時間に。

 

ゴルシさんの心配とは裏腹に、生き生きとした表情で帰ってきたゆかちゃんは「ごめんねしたよ!ごめんねできたよ!わらってたよ!」と報告。さらに「たのしかったの!ママありがとう」という言葉にゴルシさんは崩れ落ちるように心のなかで「ありがとう」と言葉を噛みしめたのでした。

子育てしていると多くの人がきっと経験する事件

漫画を読んだフォロワーさんたちからは「きちんと話を聞いて何故そうなったのかも理解できるようにお話をされるスキルの高さ」「母親に『ありがとう』と言えるのはなんて素晴らしい!お友達の身になって考えたり謝ったりすることの大切さがしっかり身についたんだなあと思います」などと、事件を見事に解決したことへの称賛が寄せられました。

 

この事件の難しいところは、子どもの話を鵜吞みにして相手に感情を向けてしまったり、逆に子どもの言うことを疑ってかかり、子どもとの信頼をなくしてしまいかねないところ。

 

「仲間はずれにされていると聞いたときは、娘の言葉に正直パニックになりました。でも、私がかつて親に『気のせいよ』と言われ傷ついた経験を思い出して、泣いている本人に頭ごなしに『勘違いなんじゃないの?』というのは言いたくないな、と。ママ友にメールで裏を取り、ことの経緯もわかったところで冷静に言葉を選んで娘と対話しました」

 

漫画ではママの心の動揺がよく見てとれますが、何よりも、人との関わりのなかで社会性を育んでいる成長過程の子どもの気持ちに真摯に向き合うことが大事と思ったそう。

 

「この出来事は娘も覚えていて、彼女にとってもひとつ成長した出来事だったと思います。ありがとうと言ってくれたことに成長も感じ、親の私も娘やそのお友達にありがとうと心の底から思いました。それぐらい衝撃的で、解決して心底ほっとした出来事でした」

 

「子どもだけでなく親も成長するのが子育て」と気づかされるような出来事。子育てしていると、子どものつき合いで悩むことも多々ありますが、そんなときに解決のヒントになってくれそうですね。

 

PROFILE ゴルシさおりさん

8歳の女の子のママ。Twitterのエッセイ漫画では日記のように描いてきた娘との日常を発信中。ほのぼのとしたイメージの漫画のオチには80年代の少年漫画をオマージュした劇画調のイラストが描かれるなど、くすっと笑ってしまうような作品が人気。

取材・文/加藤文惠 画像提供/ゴルシさおり