映画『長ぐつをはいたネコと9つの命』（公開中）で主人公・プスの元カノ、キティ・フワフワーテの声を担当している土屋アンナさん。6匹のネコと暮らす大の愛猫家の土屋さんも「性格もビジュアルもサイコー！」と太鼓判のキティの魅力とは？
かわいらしさ以外は私とほぼほぼ一緒
── キティについて、挑戦的なセリフが多いけれど、自分にはない女性らしさも兼ね備えているキャラクターとコメント。女性らしさを感じた部分はどんなところでしたか？
土屋さん：目を丸くしてかわいらしさを出すところとかは、私にはない部分だし、私はキティよりちょっと強がりな部分があるので、女性らしいというか、かわいらしい部分があるのはちょっといいなって思いました。あとはほぼほぼ一緒。かなり似ているキャラクターです。
── 特に似ていると思ったところはありますか？
土屋さん：プスよりも前に出る。プスよりも先に戦いに行くところとか（笑）。プスが「もうダメだ〜」ってなったときに、母性本能をくすぐられていい具合にやる気を出させるようなところかな。放置まではしないけれど、見届けようとするところは「似てる！分かる！」って思いました。
── 前に出たり、先に行ったり。リードするタイプですか？
土屋さん：前には出るけどリードはしない。ついてくるのは全然OK。「ついてきたいなら、ついてくれば？」みたいな感じかな。でも、人によってはリードしているように見えるかもしれないです（笑）。
── キティはうまく操縦していましたよね。手のひらで転がすというか。
土屋さん：キティは上手に操縦していると思いました。そこも女性らしさを感じたところかもしれません。私は別に操縦はしない。ついてくるなら「ご自由に」だけど、ついてこられすぎるとちょっとめんどくさく感じるタイプです。
── でも母性本能があるから、結果的に面倒をみちゃうのでは？
土屋さん：確かに（笑）。だけど「ご飯は食べていっていいけれど、帰ってね。そこまでよ」みたいな線引きはハッキリするし、言います。
キティは目の美しさがたまらない
── キティのビジュアルはいかがでしたか？ファッションもオシャレでかっこいいですよね。
土屋さん：ビジュアル最高ですよね。家にいて欲しいって思うくらい好きなタイプのネコです。特に目の美しさがたまらないです。うちにも昔、黒猫がいたのですが、本当に目が綺麗な子でした。その子はグリーンアイだったのですが、キティのブルーアイの瑞々しさ、透き通った感じがもう「美人！」っていうね。猫としてめちゃめちゃ美人で完璧な顔です。
ファッションはほぼ私のライブの衣装と一緒。ロングブーツでシンプルに腰巻きをして、かっこいいですよね。女性だからって女性らしくいくというのがないところが好きです。今日の私の衣装も、ほぼいつも通りの衣装だけどなんとなくキティっぽく見えて、このまま実写も行けちゃうんじゃない？って感じです。
── 現在、6匹飼っていらっしゃるということで…。
土屋さん：そうなんです。なんとなくプスっぽい子が多いです。昔いたキティに似ている黒猫ちゃんは、優しくて、頭がよくて、ちょっと神聖な雰囲気が漂っていて。キティを見たときに似ているところが多かったので「この子、好き！」って思っちゃいました。
── ふわふわの肉球やモフモフ感など、ネコ好きをキュンとさせるポイントもたくさんあります。
土屋さん：プスが鳥肌を立てるシーン。プスの毛が「ふぁっ」と逆立つ感じは、普段リアルに見ているので「すごい！」と思いました。
みんな大好きな肉球のもみもみしたくなる感じとかはもう100点です。キティの肉球はふわふわというのもちょっとグッときます。私がネコにグッとくるのはふわふわとかではないんですけれど…。
── 土屋さん的にグッとくるポイントは？
土屋さん：牙です。ネコの牙が大好きで、特に喧嘩するときに勢いよくシュッと出てくる牙に野生を感じてグッときます。本能剥き出しな感じが大好きです（笑）。「シャ── ッ！」って感じで怒ったときにかわいいって思っちゃいます。
── いわゆるネコ好きの人が「好き」というポイントとは違いますね。
土屋さん：昔からチーターとかが好き。ネコ好きはそっちから入った感じなんです。チーターのしなやかな体のライン、獲物を狙うときの目が大好きで。瞳孔が開くより、瞳孔が細くなるときの顔が好きです。
アクションとキラキラお目目にグッとくるはず
── オリジナルの声はサルマ・ハエックさんが演じていますが。声の感じとかすごく似ているなって。
土屋さん：彼女のインタビューの声を聞いたときに、「私かな？」って思うくらい似ていて。彼女が出ている映画もたくさん観ていたけれど、演技や役を観ていたのでそこまで声を意識したことがなくて。あんなにハスキーボイスだとは思わなかったです。今の私の声質に一番近いって思いました。
── 声質が似ているとアフレコもやりやすかったりするのでしょうか？
土屋さん：この声のままいけたので、かなりスムーズでした。監督がちょっとしたニュアンスの出し方まで細かく丁寧に指示を出してくださり、自分が慣れている歌のレコーディングのような感覚で進んでいったので、すごくやりやすかったです。声で遊ぶような感じの楽しいレコーディングでした。
── しかも大好きなアニメーションでの吹き替えで。
土屋さん：アニメーション大好きだから、本当に楽しくて。話し方のスピードも違うし、ヘッドフォンの右耳でオリジナルの声を聴いてアフレコをするので、技術的な難しさは当然ありました。
オリジナルの声につられて「プス！」と名前が英語発音になってしまうこともあって。英語と日本語だとプスの言い方も違うから、そういうところでの苦労はあったけれど、大変とまでは思わなかったです。何より、「私、みんなより一足先に新作映画を観ちゃってる！」みたいなうれしさのほうが勝ってました（笑）。
── 本作はご自身のお子様にも、そしてネコちゃんたちにも観せたいとおっしゃっていたので。ぜひ、お子様、ネコちゃんに向けてのおすすめポイントをお願いします！
土屋さん：私がキティをやっているので、子どもたちには「キティかわいい！」って思ってほしいかな。うちの子だったら、アクションとキラキラお目目にグッとくると思います。
ネコたちに観てほしいのはミルクの飲み方ですね。「あんたたちと一緒よ！」って言いながら一緒に観たいです。「プス、どうやって飲むのかな？」とワクワクしながら観たシーンで、プスがミルクを飲んだ瞬間に「最高！」っ思ったので、イチオシにしたいです！
＜作品情報＞
『長ぐつをはいたネコと９つの命』
公開日：3月17日（金）公開
配給：東宝東和 ギャガ
(c) 2022 DREAMWORKS ANIMATION LLC.ALL RIGHTS RESERVED.
取材・文／タナカシノブ
