23歳差夫婦のみはるさんと、夫のMr.シャチホコさん。和田アキ子さんのモノマネで一気に知名度も上がり、収入も変化。夫婦間で感じたこととは。(全3回のうち2回目)
引っ越しをしたいけれど
── 旦那さんは、和田アキ子さんのモノマネで大ブレイクしましたね。
みはるさん:これまで和田アキ子さんのモノマネといえば、特徴的な歌い方をマネする方はいたのですが、旦那は、和田さんの普段の話し方に注目したことがよかったようです。
たとえば「カメラ」ではなく「キャメラ」など、普段気づかないけど言われてみたら「あーそうそう!」というようなことをマネしたのがおもしろかったみたいですね。
── 2018年あたりにブレイク後、旦那さんは収入が上がっていったのかと思います。夫婦の生活は変わりましたか?
みはるさん:変わったこと、変わらなかったこと、どちらもあります。
変わったことは、外食の機会が増え、フグやおいしいお肉を食べに行くとか、食生活がちょっと豪華になりました。以前は、豆腐や野菜などでかさましするなど、節約料理を作ることが多かったんです。
でも食生活が豊かになりすぎたのか、彼の体重が一時期92キロまで増えました。今は筋トレや食事量を減らして77キロで落ち着きましたが、当時はかなり体重が増えていきましたね。
── 以前は8畳ワンルームにお住まいだったそうですが、お引越しなどしましたか?
みはるさん:マンションは引っ越しました。とはいえ、8畳ワンルームから、リビングダイニングに寝室と納戸のある1SLDKのちょうどいい間取りになったくらいです。
彼は「収入も増えたし、せっかくだから部屋が広くて眺望のいいタワーマンションに引っ越したい」といったんです。
一方、私は「物を隠せる部屋があって、コンパクトな部屋がいい」と思いました。部屋を掃除するのは私なので、広すぎると大変なんですよ(笑)。結果、今はちょうどいい大きさの部屋で快適です。
収入が上がった後に待っていた現実
── 収入が上がると、人に対しての接し方も変わる方もいますが、旦那さんはいかがでしたか?
みはるさん:知名度が上がったからと言って、とくに彼の態度が変わることはなかったです。彼はブレイクする前もブレイク後も、後輩や先輩から「いつも腰が低いですね」と言われています。
実際、「自分が稼げるのは妻のおかげ」と思ってくれているようです。世の中には「俺が稼いだお金だ」というようなことをいう人もいますが、彼は一切そういったことは言わない。お金がたくさん手元に入ってくると人が変わったり、偉そうな態度を取る人もいますが、彼はまったくそれがなかったんです。変わらない彼の姿を見て、よりいっそう信頼できる人だと感じました。
── しかし、旦那さんがギャンブルで大金を使ってしまったこともあるとか。
みはるさん:本人が稼いだお金なので、基本、口出しすることはありません。ただ、度を越したときは、モノマネ界一、心が広いと言われている私もさすがに彼に怒ることがありました(笑)。
「そのお金があったら何回、一緒においしいものを食べに行けたと思う?温泉旅行だって行きたかった」と伝えたことはあります。
でも、同時に彼はまだ若いし、一気に収入が増えたことで、気が大きくなって使っちゃってもしょうがないか、という気持ちにもなりました。
── なぜ、そう思えたのでしょうか?
みはるさん:私は今でこそ倹約して生きていますが、ひとり暮らしのときは「宵越しの金はもたねえ」と考えていた時期もあるんです。
「芸人だから何事も経験。人づき合いも大事」と思って飲みにも行くし、後輩がいたら奢ります。洋服も好きでおしゃれなものを集めたこともあります。
私も、仕事で稼いだお金が、酒代と衣装代で消えてしまった時期もあるので、彼の気持ちもわかります。
── その後は、コロナ禍に入りました。仕事への影響はありましたか?
みはるさん:本当に仕事がなくなって大変でした。「お金は大丈夫かな」「コロナはいつまで続くんだろう」という気持ちになったり。でも、同時になんとかなるだろうという思いもありました。
── 浮き沈みの激しい芸能界を長年経験してきたからこそ、言える言葉かもしれませんね。
みはるさん:お金は、一度なくなってしまってもまた稼げばいいんですよ。コロナも一生続くわけでもないだろうから、落ち着いたらまた仕事を再開したらいい。もし仮に、芸能の仕事が全部なくなってしまったとしても、たぶんほかでなにか仕事を見つけて働くだろうし。
PROFILE みはるさん
茨城県出身。『爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャル』でMVPを取るなど、多彩なものまねタレントとして活動。レパートリーは、山田邦子、光浦靖子など40名以上。
取材・文/間野由利子 撮影/長谷川裕之