ただし軽々しい声がけで傷つけることも…

配偶者や子ども、親きょうだいを亡くした人に対して、「どう声をかけたらいいか分からない」と悩む方はけっこういらっしゃいます。でも、現実には声をかけようがないと思います。「大丈夫?」「つらいよね」「時間が解決するよ」なんて言葉を無責任に伝えると、かえって相手を傷つけてしまう恐れがあります。

 

相手がどういう言葉を欲しているかについて考えてしまいがちですが、まずは耳を傾けることが大事です。「大変だったね。話せるようになったら、いつでも話聞くから言ってね」などと最初に伝えられるといいかもしれません。

 

相談者さんは既に伝えているようですから、「もし一人になりたい時間あったら、娘ちゃん預かるよ」など具体的な提案をしてもいいかもしれませんね。とても難しい問題ですが、ほどよい距離感でサポートできることを探ってみてください。

 

PROFILE 八木経弥さん 

やぎ・えみ。臨床心理士/公認心理師。心療内科や児童相談所、スクールカウンセラーなどの勤務経験のもと、開業カウンセラーとしても活動中。仕事では心理学を活用した育児の方法などを伝えている。2人の娘の母。

取材・文/大楽眞衣子 イラスト/まゆか!