「着物で料理をするのは大変そうに見えるかもしれませんが、私にとっては日常なんです」と話すのは、YouTubeチャンネルの登録者数が150万人を超えるMOEさん。日常生活を映し出した動画は外国人に大人気です。英語も映像編集も未経験で始めたMOEさん、何がそうさせたのか教えてください!
YouTuberから「撮影したい」と依頼されてひらめく
── 京都祇園の舞妓・芸妓、海外生活、離婚、東京でのひとり暮らしを経て、現在のご主人と出会い、2019年に出産されました。産後も「働きたい」という思いを持ち続けていたのでしょうか?
MOEさん:はい、出産しても一生働き続けるつもりでしたが、子育ては予想外に大変でそれどころではなくなりました。とくにわが家は、夫がサービス業のため忙しくて不在がちでワンオペ育児。
こんなはずじゃなかったのに、とネガティブに考えてしまい、産後うつのような状態に。
娘が生後7か月のとき、ある日本在住の米国人YouTuberの方から「日本のママと赤ちゃんを密着取材させてほしい」と連絡を受けました。
── 目のつけどころがおもしろいですね。その方は、どのようにMOEさんにたどりついたのでしょう?
MOEさん:当時、芸舞妓の経験を活かして着付け講師をしており、そのインスタアカウントを見てくれていたんです。
当時のフォロワーは1万人未満でしたが、“着物は私の武器”だと信じて地道に続けていました。
“YouTuber”の存在や職業として成り立つと知ったのはその米国人の方のおかげです。その後、次第に再生数が伸びて広告収入も得られるようになり、YouTuberを仕事にすることができました。
彼が私たち母子に24時間密着取材する様子を見て、「これなら、スマホ1台あれば完結するので、家で子育てしながらでも私にもできる」と考え、密着翌日から動画の構成を練り、1週間後にはスマホ片手に撮影を始めました。