「動画撮影なんてしたことない」けど手探りで開始
── 1週間後には撮影開始!行動に移すのが早いですね。「Kimono Mom」では着物姿で日本のお母さんの生活、家庭料理などを海外に発信されていますが、このアイデアはどこから?
MOEさん:自分ができることしかできないので、自然と「着物」「主婦」「家庭料理」が中心になりました。
最初に撮影した動画は、娘をあやしながらのレンコンのはさみ揚げを作る様子だったかな。そのころは、日本語だけの動画でした。
料理経験ゼロから教室に通って勉強した家庭料理、海外で日本食を作った経験など、それまで必要に迫られて身につけた技術がようやく日の目を見ました。
動画編集なんてしたことないので、YouTubeで調べてうーんと頭を悩ませました。何が正解かわからないまま思いきって動画をアップロードしたのが、2020年2月22日。はっきり覚えています。
── 手探りではじめてから3年がたち、YouTubeチャンネル「Kimono Mom」登録者数は150万人を超えました。
MOEさん:さきほどの米国人YouTuberの方による密着動画は2000万回近い再生数を記録。幸運にもその流れで、彼の動画で紹介されたリンクをたどって私のYouTubeチャンネルを観てくださる方が増えました。
最初の動画を公開してすぐ、多くの方がチャンネル登録してくださったのですが、ほとんどが海外の方でした。
家庭料理以外にも、日本のお母さんがどんな日常を送っているかを紹介する動画もよく観られています。
── ふつうの日本人の日常生活にそんなに興味を持つ人がいるとは、なんだか意外な気もします。
MOEさん:私も驚いています。ふだんの1日を記録したYouTubeの日常動画が思いのほか視聴数者を得ており…。
開始から8か月後に公開した動画『Mom's life in Japan』は、2022年末で、1300万回以上再生されました。コメントも1万6000件以上です。
もちろん、私生活や子どもについて公開するのは勇気がいりました。でも、娘がご飯の途中にグズったり、牛乳をこぼしたりする様子に、視聴者から「わかる、わかる」と次々に反応が。
国や文化が違っても、赤ちゃんのすることは同じで、育児の悩みは共有できるものだなぁと実感しました。
私自身、どこの国の親もみな同じ思いをしているとわかり、しんどいなと感じたことも含め発信してみて、気持ちが楽になりました。