大人の「推し活」はトキメキも学びも

── 日系ブラジル人歌手のカルロス・トシキさんのファンを公言され、ブログには熱い思いがハイテンションで綴られています(笑)。「カルロスにハマっています。カルロスゴーンじゃございません」のくだりには、思わず笑ってしまいました。ファンになったきっかけを教えてもらえますか?

 

水野さん:バブル全盛期の1986年、高校2年生のころです。「オメガトライブ」のメインボーカルだったカルロス・トシキさんをテレビで見た途端、心を射抜かれてしまい、中央大学の学園祭コンサートにも行きました。

 

その後、私は第2回「東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞を受賞し、自分の人生を回すことで精いっぱい。カルロスも母国・ブラジルに帰国し、完全に「推し活」は止まっていたのですが、2017年にたまたま新聞で名前を見かけて。気になって過去映像を見てみたら、再び“沼落ち”しました。

 

あの縦揺れの動きと、独特のリズム感、甘い歌声に癒やされまくっています(笑)。

 

水野真紀さん
はつらつとした美しさの秘訣は「推し活」かも?

── アラフォー世代にとっては、「君は1000%」のヒット曲でお馴染みですよね。たしかに、あの縦揺れの動き(笑)は、インパクトがありました。

 

水野さん:
来日ライブがあるときは、必ず複数回、足を運び、歓迎の気持ちをこめてお花を贈っています。もちろんグッズも購入し、思いきりライブを楽しんでいますよ。

 

カルロスの「推し活」、もとい「カル活」が楽しいのは、彼の魅力もさることながら、推していて、学びに繋がることなんです。

 

──「推し活」が学びに繋がる…?どういうことでしょう。

 

水野さん:もともと興味を持ったものにはきちんと向き合いたい性分なので、「JICA(国際協力機構)横浜」に行って日系ブラジル人の移民の歴史や文化を調べてみたり、ブラジル料理を「カル活」仲間と作ってみたり。いろいろと奥が深くて、まったく飽きません!

 

── 推しのルーツまでたどるとは、さすがです。トキメキも学びも得られる、これぞ大人の推し活ですね。

 

水野さん:ただし、大人が「推し活」に勤しむなら、家族に配慮するのも大事かなと。私もいつもより家事を頑張って、「家のこともおろそかにしていませんよ」と、さりげなくアピール。根回しすることで、快く送り出してもらえています(笑)。

 

PROFILE 水野真紀さん

1970年生まれ、東京都出身。1987年「東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞を受賞。NHK朝の連続テレビ小説「凛凛と」で芸能界デビュー。初代「きれいなおねえさん」として、松下電器(現パナソニック電工)のCMに起用され、大ブレーク。以降、ドラマやCMなどで活躍中。48歳で聖心女子大学文学部教育学科に入学し、50歳で幼稚園教諭一種免許を取得。52歳には保育士試験にも合格。

 

取材・文/西尾英子 写真提供/水野真紀