フジテレビに2010年に入社した山﨑夕貴さん。入社1年目からレギュラー番組を担当し、人気も実力もつけていきます。しかし、自分の努力とは裏腹に、涙を堪えなければならなかった日も。(全5回中の3回)
正直、泣きたかった
── 山﨑さんは、学生時代はどんな学生でしたか?
山﨑さん:特別目立つタイプでもなく、ごくごく普通の大学生だったと思います。フジテレビに入社が決まったときも、私が通っていた大学で「同じ学年にアナウンサーになるやつがいるらしい」と、少しは話題になったようですが、「山﨑…?誰それ?」という程度で、特別華やかな感じでもなかったです。
── フジテレビに入社されて、いつまでも変わらず明るく親しみやすい印象を受けます。ご自身で意識していることはありますか?
山﨑さん:謙虚でいたいとは思っています。アナウンサーも、会社の一社員です。「自分が自分が」というよりは、常にチームワークを大切にしながらやるようにはしていますね。
── 今まで、仕事をする上で印象に残っていることはありますか?
山﨑さん:入社1年目、深夜の10分間トークバラエティー番組「ヤマサキパン」のMCを担当させていただいたときのことです。
約半年間続いた番組は、慣れないながらも、たくさんのスタッフに支えていただき、私としてはすごく充実した時間を過ごせたと思っていました。
ところが、最終日の打ち上げの席のことです。番組でお世話になった先輩から「お前はもっとスタッフから愛されないとだめだ」と言われてしまったんです。打ち上げで6時間怒られました…。
── 6時間!どこらへんがよくなかったのでしょうか?
山﨑さん:私のなかでは、出演者にもスタッフにも、挨拶をしているし、丁寧に接していたつもりでした。でも、今思えばメールの返信は遅かったし、自分から感謝の気持ちを伝えていなかったりと、社会人として半人前だったと思います。
── 生放送や番組の収録など、メールの返信もすぐにはできないこともありますよね。
山﨑さん:放送中は仕方がなかった部分もありますが、それ以外でも遅れてしまったことが何度かあったんです。たとえば、ある番組が終了したときに、担当ディレクターからお礼のメールを受け取ったのですが、その返信が翌日になってしまったり…。今思えば、むしろこちらからお礼を言わなければならない状況なのに、失礼だったと思います。他にも、忙しさを言い訳にうまく対応できていなかったこともありました。
学生気分が抜けていなかったり、入社1年目で番組のMCを担当させていただいたこともあり、浮ついた気持ちもあったのかもしれません。
番組を放送している期間はお叱りを受けなかったのですが、最後の最後の打ち上げのときに言われてしまって、ショックでもありましたが…。
打ち上げの場では、場の空気を壊さないように涙を堪えるのが必死でした。