フジテレビの入社と共に、地元岡山から上京した山﨑夕貴アナ。東京での新生活は初めて見るものも多く、とても魅力的だったと語ります。しかし、当時は地方出身のアナウンサーはまだまだ珍しかった時代。アクセントの修正や、周りには帰国子女も多く、自分は経験したことがない話ばかりでギャップを感じたことも…。(全5回中の1回)
海外留学やミスコン出場経験…はないです
── 山﨑さんは、学生時代どんな環境で育ち、どんな学生でしたか?
山﨑さん:私は岡山県の出身で、のどかな田園風景が広がるような環境で育ちました。
学生時代は、はじめは引っ込み思案な面もありましたが、たくさんの仲間に恵まれて、のびのびと過ごしていたと思います。
── 山﨑さんは大学卒業後、新卒でフジテレビに入社し、岡山から東京に出てきました。東京での生活はいかがでしたか?
山﨑さん:目に映るもの、体験することすべてが新鮮でした。それに、東京はなんといっても便利!地方だったら電車が来るまで1時間待たなければいけないことも多いですが、東京は数分間隔で来ます。私にとっては軽いカルチャーショックでした。
── お仕事はいかがでしたか?
山﨑さん:慣れないことが多くて、毎日が一生懸命でしたが、とても楽しかったですね!それに、会社に行くとテレビで見ていた芸能人の方たちとお会いする機会も多く、はじめはミーハー気分もあったかもしれません(笑)。
── 当時は、地方出身の大学生はまだ少なかったそうですね。同期や先輩たちとの違いを感じたことはありましたか?
山﨑さん:同期や先輩には、帰国子女や、東京の一等地に家がある人、ミスコン出場者などもいます。「今度、家族で海外旅行に行くんだ」という話を聞いたりすると、「地元の友達で、家族で海外旅行に行った人、いなかったなぁ…」と、自分が育ってきた環境とのギャップを感じることもありました。お金の使い方や遊び方も、今まで自分がいた岡山とは違うような気がしました。
── テレビ局は、おしゃれな方も多そうですね。
山﨑さん:入社当初はまわりの先輩たちに憧れて、服装など、先輩たちと同じようにしようとしていた時期もありました。今考えると、 “アナウンサーらしさ”を目指していたのかもしれないですね。
そんな自分に疲れてしまったとき、上司が「山﨑は普通だな。普通でいることが珍しい」と言ってくれて、すごく嬉しかったです。無理に背伸びをして誰かのマネをしなくても、今のまま自分らしく振舞えばいいと気づくことができました。
── 言葉についてはどうでしたか?
山﨑さん:地元の岡山弁が抜けなくて、とにかく時間を作って、イントネーションやアクセントを標準語に近づけようと必死に練習しました。先輩アナウンサーに時間をとって教えていただき、アクセント辞典にも載っていないような単語を1個ずつ直していきました。
岡山弁との違いを発見するたびに「この音はこうなんだ」「この音も違う!」とすごく新鮮な気分。おかげで毎回楽しく練習できました。
アナウンス研修を担当してくれた先輩アナたちのなかでも、私のアクセントについては、「今日の山﨑」と、毎回報告に上がるほど話題になっていたようです(笑) 。
── 楽しみながら練習したら上達も早そうですね!
山﨑さん:アクセントに関しては、「1回注意されたら絶対に次は同じミスをしない!」と決めてやっていたため、わりと早く直すことができたと思います。