小学生のお子さんがいるママ・パパ、お子さんはふだんの学校の宿題をいつやっていますか?「宿題は学童保育で終わらせてくる」というお子さんもいるかと思いますが、家で取り組む場合は、夕方から夜にかけての時間帯になりますよね。
夕食作りやお風呂、明日の準備などで忙しい中、お子さんがちゃんと宿題をやったのか気を配るのはなかなか大変。毎日のように「もう宿題やったの?」と聞かなくても早めに終わらせてほしい…と願っているママ・パパは多いのではないでしょうか。
今回は、小学生の宿題がなかなか進まないときに、家庭でやってみるとスピードアップするかもしれない工夫を4つのジャンルに分けて紹介します。まだ試していないものがあれば、ぜひトライしてみては。
宿題を早く終わらせるコツ1【時間編】
まずは、毎日の宿題を始める時間や終わらせる時間を確認してみましょう。
- 学校から帰ってすぐにやる
- おやつを食べて一息入れてからやる
- 遊びや習い事から帰ってからやる
- 夕食後にやる
- おふろの後にやる
- 翌朝の登校前にやる
色々なパターンがありますが、上記のどれかでうまくいかないのであれば、お子さんと話し合って、希望の時間に変更してみては。
もちろん、しばらくやってみてうまくいかない場合は随時見直してOK。ポイントは、子供自身に選ばせることです。
親としては「こっちの方が絶対にいいのにな~」と思ってもぐっとこらえましょう。子供が「自分で決めたけどやっぱり良くなかったな」と思った時こそ、成長のチャンスだといえます。
開始時間だけでなく、終わらせる時間を決めておくのもおすすめ。几帳面なタイプの子は気になって早めに始めたり、ゲーム好きな子はタイムアタックのようにギリギリに開始したり、個性あふれる行動を見せてくれそうです。
決めた時間までに終わらせることができたら、スタンプカードやシールなどをゲットでき、30個ためたら欲しいものと交換できるなど、遊び要素を取り入れてみても良いですね。
宿題を早く終わらせるコツ2【環境編】
いつもダラダラと宿題に取りかかれない場合は、少しだけ環境を変えてみると取りかかりやすくなるかもしれません。
子供部屋の学習机でやることになっているなら、キッチンのダイニングテーブルでやってみてみると気分が変わって集中できることもあります。
また宿題中はテレビやDVDなどはオフにしておくのが基本ですが、下の子がいたり、きょうだいのお友達が遊び来ていたりするとなかなかそうもいかず集中できない時もあるかと思います。
リビング学習時にパーテーション(仕切り)パネルを用意したところ、集中できて喜ばれた…というケースも。
宿題を早く終わらせるコツ3【問題・解答編】
宿題にはいろいろな種類がありますが、取り組む順番や進め方によって意欲や集中度がアップする可能性もあります。
漢字や計算のドリル・国語の教科書の音読・調べ学習など得意・苦手はその子によってさまざま。
一般的には得意なもの、簡単なものを先に片付けて達成感を味わい、「あとは○○だけだ」という状態になったほうが心が軽くなり、作業がはかどると言われます。
得意・苦手どちらから始めるべきかはその子の性格にもよるため、両方試してみて合った方法を選ぶと良いですね。
またランドセルからドリルとノートと筆箱を出して宿題にとりかかるという一連の流れが面倒で、ついダラダラしてしまう子もいます。
この場合は、「宿題はまだやらなくてもいいから」と必要な道具だけを出すように言い、それができたらおやつにするなどのリズムを作りましょう。
可能なら、道具を出したあと「ドリルのやるべきページとノートを開く」「1問だけやってみる」といった行動もおすすめです。
人の心理の1つに「ツァルガイニク効果」というものがあり、完了した作業のことは忘れてしまうが、未完了の作業はいつまでも気にかかる…というものです。
「1問だけ解いたドリル」は、多くの子にとって気になる存在。すっきりしたければ早めに続きに取り組むしかないので、スピードアップにつながります。
そのほか、宿題に長く時間がかかる子の特徴の1つに「完璧主義」もあります。途中で解けない問題に出会うと、それをクリアするまで先に進めないため、効率が悪くなってしまいがち。
完璧を目指すのは素晴らしいことですが、そのために先に進めずどんどん時間が過ぎていくのも困りますよね。
「分からない問題はとばして、まずはできる問題だけやろう」と声をかけ、70点でもいいので完成させる…という体験を繰り返してみましょう。
宿題を早く終わらせるコツ4【マインド編】
「宿題やりたくないなあ」と子供が感じるのには、単に面倒臭い・遊びたいといった理由だけでなく、やる意味が見いだせていない場合もあります。
お子さんの性格に合わせ、勉強や宿題の意義を話してみてはいかがでしょうか。
また、学習でつまづいていて宿題の内容が理解できずに苦しんでいるのに、ママをはじめとする大人に相談できずに困っている可能性もあります。
「10歳の壁」といわれる小学4~5年生頃からこのパターンも増えるので、まずは叱らずに話を聞き、困っている教科や単元などがあればママやパパが見てあげたり、先生に相談したり、塾を検討するなど対策を考えていきましょう。
おわりに
過去、宿題の目的や意義は、おもに「学習習慣の定着」や「イヤなことでもやりきる力を身につける」などと言われてきました。
しかし近年では、理解度にも得意分野にも差がある子供たちに同一の内容と量の宿題を課すシステムも見直されつつあります。
また多様化する国際社会においては、「イヤなことでも指示されればまじめにやりきる」という人材よりも、「得意なことや好きなことを極めて価値を発揮する」人材が求められていくという考え方もあります。
つまりお子さんの宿題がはかどらないのは、単に遊びたいだけという可能性ももちろんありますが、もしかして現在の学校や宿題の制度が本人に合っていないのかもしれませんね。
とはいえ、今日明日すぐに宿題がなくなったり、やらなくても許されるようになったりはしないと思われます。
今回の記事も参考に、少しでもスムーズにお子さんの宿題が進むようになると良いですね。
文/高谷みえこ