海外生活で、日本の良さに気づく

── 海外生活で、日本とは違う価値観などで影響を受けた部分はどういうところですか。

 

鷹村さん:海外で生活をしてみて、改めて日本人って真面目だなって実感しました。タイに限らず、海外はコンビニやスーパーでの接客がむちゃくちゃ荒っぽかったりするんですよ。就業中なのに、スマホをいじっているのが普通だったり(笑)。

 

最初はびっくりしたのですが、高級ホテルに行くとすごくサービスが良いので、単価とサービスがイコールなんだなって気づいたんです。

 

コスプレイヤーの鷹村アオイさんが暮らしていた当時のタイの市場の様子
鷹村さんが暮らしていた当時のタイの市場の様子

── 確かに日本は、単価に関わらず丁寧なサービスが当たり前になっていますね。

 

鷹村さん:高いサービスを受けたかったら、きちんと対価にあった金額を払うべきなんだなって痛感しました。とにかく日本人は真面目すぎると思いましたね。タイでは、雨が降ると冠水することがあるので、仕事があっても帰宅してしまうこともあるんです。

 

── 日本では当たり前になっていることが、海外では大きく違っていたのですね。タイでの経験を、ご自身はどのように受けとめていますか?

 

鷹村さん:すごく良い経験になりました。たとえば、トイレで紙を水で流せるのって素晴らしいこと。調べてみたら、紙を流して流せる国のほうが少ないみたいで。

 

日本にいると、その行き届いたサービスが普通だって感じていますが、実はすごいことなんだって気づけたのが、海外生活をして良かったことかな。日本では、好きなときに好きなものを食べられるし、気持ちに余裕が生まれるというか。

 

── 海外にいたとき、コスプレがしたいと思うことはなかったですか?

 

鷹村さん:タイにもコスプレ文化はあって盛んなのですが、当時は距離や言葉の壁を乗り越えられなくて。一時帰国したときを狙ってコスプレをしていました。海外で生活していて改めて、日本はコスプレイベントが多いし、気軽にレイヤー活動ができていいなぁって感じましたね。

 

PROFILE  鷹村アオイさん

1976年生まれ。19歳からゲームキャラクターのコスプレを始め、現在もレイヤーとして同人誌即売イベントなどで作品を発表している。プライベートでは中学生と小学生の女の子の母。

 

取材・文/池守りぜね 写真提供/鷹村アオイ