夫にコスプレをカミングアウト。驚きの反応が…

── 出産後に再びコスプレに戻られたのはいつごろですか?

 

鷹村さん:32歳くらいかな。28歳で結婚したのですが、最初は夫にコスプレが好きなことを隠してたんです。

 

── 旦那さんには、レイヤーをしていることをどうやって伝えたのでしょうか。

 

鷹村さん:私は地方在住なのですが、当時東京で大型イベントがあったんです。そこに行くためには、どうしても泊まりじゃないと参加しづらかった。夫に伝えると、「どうして泊まりじゃないといけないの? 」と問い詰められてしまって(笑)。そこで初めてコスプレをしていることを伝えました。

 

── どのような反応でしたか?

 

鷹村さん:コスプレをしている写真を見せて「衣装も作っているんだ」って伝えたら、「こんなすごいことをしているのに、なんで隠していたの」って意外にも褒めてくれて。コスプレの趣味なんて絶対非難されると思い込んでいたけれど、逆に活動の背中を押してくれたんです。夫には作品は見せてはいないですが、「楽しそうだね」って言ってくれています。

 

── ちなみに旦那さんもアニメやゲームが好きだったり?

 

鷹村さん:夫はアニメなら『北斗の拳』が大好き。あと、夫は昔、バンドをやっていて『聖飢魔II』が好きだったんですよ。趣味はそれぞれ違いますね。

 

── お互いの趣味を尊重できるのが理想ですよね。32歳でまたコスプレを再開したのはなぜですか? 

 

鷹村さん:『ベヨネッタ』(2009年SEGAから販売されたアクションゲーム。現在もシリーズが続いている)というゲームに出会ったのがきっかけでした。ゲームの主人公のベヨネッタを見たときに、もう全身に雷が落ちたような感覚でした!

「雷に打たれたよう」あるキャラと出会い再びコスプレの道に

── どういう部分が魅力的だったのでしょうか。

 

鷹村さん:キャラがとにかくかっこいいんですよ。2008年の『東京ゲームショウ』というイベントで、大きなスクリーンでゲームの予告映像が流れたんですが、ものすごくスタイリッシュなビジュアルの女性が、天使をお仕置きしていて。「魔女が天使をお仕置きする」という設定にも、稲妻が走りました(笑)。

 

ベヨネッタのコスプレをする鷹村アオイさん
鷹村さんがカッコ良すぎて衝撃を受けたという「ベヨネッタ」のコスプレ

── 最初にコスプレをしたキャラクターの赤木リツコもそうですが、ベヨネッタも同じようなかっこいい女性の系統ですね。

 

鷹村さん:そうなんです。私は強くてかっこいい女性のキャラクターが好きなので、コスプレに選ぶのもそういうキャラばかりですね。

 

── コスプレの衣装では、ミニスカートやボディコンのようなピタッとした服装が多いですが、普段の服装はどんな感じなんでしょう?

 

鷹村さん:普段の服はコスプレとは全然違いますよ(笑)。パンツスタイルが多いかな。

 

── 衣装を見て、「露出が多いな」という抵抗はないのでしょうか?

 

鷹村さん:キャラクターのスカート丈が短いなら、それに似せたいんです。『ONE PIECE』のボア・ハンコックというキャラのコスプレをしたときも、胸の谷間や腹筋もばっちり露出しているキャラだったので、「撮影までに鍛えなきゃ!」って頑張りました(笑)。

 

PROFILE 鷹村アオイさん

1976年生まれ。19歳からゲームキャラクターのコスプレを始め、現在もレイヤーとして同人誌即売イベントなどで作品を発表している。プライベートでは中学生と小学生の女の子の母。

 

取材・文/池守りぜね 写真提供/鷹村アオイ