3歳のとき、施設から養子縁組として川嶋家に引き取られた川嶋あいさん。ある日、突然自分の出生について知ったと語ります。その後、育ての母が亡くなると、産みの母に関する話を聞くことに。産みの母と、育ての母。「天涯孤独だ」と感じた川嶋さんが見えた景色とは。
「これ、どういうこと…?」
── 川嶋さんが、ご自身が養子縁組の子どもだったと知ったのは12歳くらいだったと聞いています。どういった流れで、出生について知ったのでしょうか?
川嶋さん:母に、「家の金庫の1番目の段にある書類を持ってきて」って言われたときに、他の段も開けちゃったんです。そこで、私の生年月日と、私の名前の上に、知らない人の名前が書いてあって。出生や里親に関する書類がありました。
── 偶然見つけてしまった。
川嶋さん:もう、かなりの衝撃でした…。周りの友達から、「お母さんと全然似てないね」って言われることは、よくあったんです。あまりにも言われるので、「本当に違うのかな…?」って一瞬考えたこともありますが、そんなわけない。親を信じきってました。
でも…、そうじゃなかった。出生に関する書類を目にして、すぐに母のところに飛んでいったんです。「これ、どういうこと?」って。
母は、「あぁ、知っちゃったのかぁ…」っていうような、すごく悲しくて辛そうな表情をしていて。多分、私が偶然知るまで、当分事実を話さないでおこうって決めていたんでしょうかね。
── どんなお話をされましたか?
川嶋さん:本当のお母さんはどこにいるとか、私はいつ、どうやって川嶋家の母と出会ったとか。多分たくさん質問もしたし、母も全部説明してくれたとは思うんです。でも、あまりにも衝撃が大きすぎて、そこに関する記憶も曖昧というか、何を説明されても頭に入って来なかったような…。
本当の両親について、もちろん気になりました。でも、それ以上に育ててくれた父と母ですよね。何でこの人たちは、本当の血の繋がりのある親じゃないんだっていう。その真実がわかってしまったショックのほうが大きかったです。