「僕にとってはモデルや俳優業と同じように、ショップ店員も大事なお仕事のひとつ」と話すゆうたろうさん。12月に主演映画『僕らはみーんな生きている』が公開され、放送中のドラマParavi『来世ではちゃんとします 3』(テレビ東京系)の栗山凪役ほか、多くの作品に出演しています。俳優として活躍が広がるなかでもショップに立ち続ける理由とは(全4回中の4回)。

 

ゆうたろうさん
「店に出勤するのが楽しみ」と話すゆうたろうさん

ショップでの交流で「エネルギーをもらっている」

── デビューしてモデルや俳優のお仕事が増えても、ショップ店員としての仕事を続けていますよね?

 

ゆうたろうさん:お店に立つ機会は、コロナ禍もあって圧倒的に減りました。でも、もともとショップ店員だし、芸能界のお仕事がメインと思われていますけど、僕にとってはどちらもメイン。

 

僕が選んだ服を着てくれたり、会いに来てくれたりとか、すごく嬉しいし楽しいんです。

 

── 実際忙しいでしょうし、「オフはほしくないの?」と思ってしまいますが。

 

ゆうたろうさん:ショップ店員は仕事だけど、変に気疲れもしないし、僕のなかでは「いい息抜き」みたいな感じがあって(笑)。

 

お店でお客さんやファンの方と会って、喜んでもらえるのがいちばん。やっぱり定期的に「対面で会いたいな」っていうのは、すごく思います。

 

事務所もそこは理解してくれているので、時間ができると「じゃあ!」みたいな感じで出勤しています。

 

── SNSで実際にショップを訪れたファンとの交流を見ていると、「直接、接する機会がゆうたろうさんの原動力になっているのかな」と感じる面もあります。

 

ゆうたろうさん:今はSNSが主流になってきて、いろんなコメントやお手紙をもらえるのも嬉しいです。

 

でも僕はやっぱり直接会って、その人の生の言葉で話を聞けるのが嬉しいなって思うし、すごくエネルギーをもらえています。

 

本当に原動力になっているし、これからもできるだけファンの方と直接会える場をつくり続けていきたいです。

 

4年前、出勤をお知らせした際Instagramに投稿した写真。店に出る日が決まるとSNSで告知している

芸能人ではなく一般人として見られたい

── 俳優業だけでも舞台や映画、ドラマ出演など、いわゆる「売れっ子」の状態です。

 

ゆうたろうさん:「売れている」みたいなのは僕自身が全然、自覚していないんですよね。

 

みんなと一緒の生活をしているし、みんなと同じものを食べてるよ…って。本当に普通だし、一般人として見られたいと思っています。

 

メディアだけで僕を切り取ると、どうしても「芸能人」とか「すごい人」みたいに思われてしまうことがあって、全然そんなことないのに…って。

 

── 別の世界の人や遠い存在として見られてしまうのが嫌、と感じるのでしょうか?

 

ゆうたろうさん:直接会うと、この無気力な感じとか(笑)、あまり感情に抑揚がないところとかが伝わると思うんですよね。

 

キャラをつくっても、疲れちゃうじゃないですか。だから店で働いているときも、自然体でいます。

 

たとえばドラマで僕を知ってくれた方がお店に来てくれて、「気軽に会えると思ってなかった」と喜んでくれる。「等身大のままでいてくれるのが嬉しい」と言ってくれる人もいます。

 

実際に会うと本当の自分が伝わるな…と感じるので、そうやってリアルな僕自身を伝えられる場は、常に大切にしたいです。

 

ゆうたろうさん
インタビュー中もごく自然体で、てらいのなさが伝わる

人間観察から質問攻めしてしまうことも

── ショップ店員やモデル、俳優、ラジオパーソナリティなど、いろいろなお仕事をしています。今後、やってみたいことはありますか?

 

ゆうたろうさん:ライターをやってみたいです!

 

── …今、私がやっているような取材をする側、ですか!?

 

ゆうたろうさん:やりたいんです(笑)。

 

こういうお仕事をしていると、“人間観察”が趣味になるじゃないですか。そうすると普段なかなか出会わないような人と会ったときに、めちゃくちゃ質問攻めにしちゃうんですよ。

 

知っている人でも、たとえば監督とか仕事の場でしか会わない人と違う場で話せる機会があれば、プライベートな顔を覗いてみたいなとか、家ではパパの顔をしているのかな…って。

 

知らない人、目の前にいる人の人生を深掘ってみたいし、楽しそう。実際、楽しいですか?

 

ゆうたろうさん
すかさず逆に質問するゆうたろうさん。ライター業も向いていると思います!

── すごく楽しいですよ(笑)。

 

ゆうたろうさん:先日も大阪でご飯を食べたとき、いつの間にか同じテーブルに知らない人が座ってて一緒におしゃべりして…そういうのも好きで。

 

年齢や性別も関係なくて、一番年上だと50歳の友達がいるんですけど、その人が僕と同じ24、25歳のときは、なにをしていたのか?とか、違う時代を生きてきた人たちの言葉って、すごく面白いです。

 

いろんな職業をやっている人とかの話を聞きながら探るのが、めちゃくちゃ好きなんですよ。

 

── 対談のお仕事とかも、よさそうですね。

 

ゆうたろうさん:いいですね!毎回、違う人を呼んでお話を聞くのも、やってみたいです。

 

ラジオでもゲストを招いたときは、その方のパーソナルな部分や、音楽好きだったら音楽のお話を聞くなど、その人の人生に触れる経験もしています。

 

人の話を聞くのが好きだし、初めての人と会う職業でもあるので、そういう機会は逃さないようにしたいです。

 

ゆうたろうさん
「いつの間に知らないLINEグループに入っていて、みんなと仲良くなりました」と話す気さくなゆうたろうさん

今年のプライベートの目標は全国制覇

── プライベートで、チャレンジしたいことはありますか?

 

ゆうたろうさん:今年は全国制覇したいと思っています。あと12県。意外と行ってないところがあるな…って。

 

── たとえばどの辺りですか?

 

ゆうたろうさん:ショップに出勤すると、いろんなところから店に来てくれるのですが、この前は宮崎県や愛媛県の方が来てくれて。

 

どちらも行ったことがない土地で、お話を聞いてめちゃくちゃ行きたくなっています。1週間ぐらいオフになったら、九州一周とか四国一周とかしたいです。

 

──「旅行は誰かと一緒じゃないと…」みたいなことはありますか?

 

ゆうたろうさん:友達や家族と一緒に行く旅行も好きですけど、ひとりでも行きますね。

 

とにかくいろんな場所で、いろんな空気に触れたい。少しずつ環境が落ち着いてきているので、海外にも行きたいです。

 

言葉が通じない国でも、その場の空気には触れられるし、現地の方と話してみたい。あと僕は古着が好きなので、その土地の古着を買いたいし、現地のごはんを食べるのも楽しいですよね。

 

ゆうたろうさん
「一人旅も楽しいけど、友達や家族…いろんな人といろんな場所に行きたい」そう

 

PROFILE   ゆうたろうさん

1998年広島県生まれ。2016年にデビューし、モデル・俳優として多くの作品で活躍。2022年12月主演映画『僕らはみーんな生きている』が公開され、1月よりドラマ『来世ではちゃんとします 3』に出演中。

 

取材・文/鍬田美穂 撮影/二瓶彩 写真提供/ゆうたろう ヘアメイク/三浦彩