適温の目安は「基礎体温プラス4度」
── 寒いのは一瞬なので、ちょっと我慢すればいいかなとも思うときもあります。
松永さん:体を冷やさないことはとても大事です。なぜお風呂で体を温めるかというと、入浴は血管をコントロールしてしっかり免疫を高めるためです。
血行をよくすると血管が拡張し全身の基礎代謝があがり、免疫力も高まります。そういう意味でも大事なんです。
ぬるめのお風呂に入ると、副交感神経が優位になって、深部体温が徐々に上がっていくので、睡眠にも肌にもいいとされています。
とくに筋肉量が少ない方は血液を運ぶポンプの力が弱いので、入浴で血流がよくなり冷え性にも効果的です。
── お風呂の沸かし方で工夫することはあるのでしょうか?
松永さん:人によって適温は違います。基礎体温には個人差があって、35度台の人もいれば37度近い人もいる。
基本的には、ぬるめの湯がいいなら基礎体温からプラス2度、適温がいいならプラス4度を目安にお風呂の温度を設定してください。
また、季節によっても、体調や運動の有無によっても、その日その日で適温は違うのですが、簡単にいえば、入ったときに“気持ちいい”と感じるかどうか。それで十分です。
── なるほど。寒いからといってムリに熱めにする必要もないし、ぬるめにすべきとか、義務感で入る必要はないんですね。
松永さん:そうです。ただ、やはりシャワーで済まさず、お風呂には浸かるのが大前提です。お湯の熱伝導で体を温めるのはシャワーもお風呂も同じです。
でも湯船に浸かると水圧による力が体に加わるので、体の下から上へ血流を押し上げてくれます。それによって、血行をよくして体を温める作用が働く。
湯船は浮力もあるので、筋肉の緊張も緩むから血管が拡張しやすくなる。お風呂に入るメリットはたくさんあるわけです。
── お風呂は、かなり日々の健康に大事なことがわかりました。
松永さん:そうなんですよ!生活習慣として食事や運動が大事って基本じゃないですか。それは体を温めて代謝を高めて血流をよくするうえでも重要です。
これは入浴も同じ。美味しい食事や適度な運動をするのと同じくらい、快適な入浴習慣は健康に欠かせないものなんです。