「きょうだいは他人?」介護の考え方でしこりは深く

「私からするとひとりで全部決められるほうが、よっぽど羨ましい。別の知人は、親の介護で仲のよかった兄妹が反目。

 

親が亡くなったあとは遺産をめぐって裁判にまでなっています。きょうだいがいるほうがよほど大変」

 

きょうだいは他人の始まりと言います。親の介護への考え方が違うのもやむを得ないのかもしれません。

 

カオリさんはケアマネジャーに間に入ってもらって、弟と表だって争いをしないよう気をつけているそうです。

 

「ケアマネさんには弟とうまくいってないことも話しました。こうなったら、いろいろな人の手を借りて、母に不利益が及ばないようにするしかありません。

 

いままでの過程もあって、母にもついイライラしがちですが、そこは自分を抑えていくだけです…」

 

平日は仕事と家事、子育て。週末は母の家へ。カオリさんの過酷な日々は、まだまだ続きそうです。

 

文/亀山早苗 イラスト/前山三都里