イラストはイメージです

「オレと同じだけ稼げるようになってから文句を言ってよ」、「家にいるんだから、もう少し掃除できない?」。口調はやんわりとしながらも、妻たちを追い詰めるような言葉を発する夫は意外と多いもの。「家事育児は女性がやるもの」という無意識の思い込みは、今も男女ともに強いのかもしれません。

「ごめんなさい」が口グセになったことを周囲が心配

「夫が1泊で出張にいくのがわかっていたので、必死に準備を重ね、“昼逃げ”しました。いまは娘を連れて実家にいます」

 

そう話すのは、ミクさん(38歳、仮名=以下同)です。30歳のとき、友人の紹介で知り合った3歳年上の男性と結婚しましたが、結婚後、彼はいきなり「モラハラ夫」に変貌しました。

 

とはいえ、激しく彼女を怒鳴ることなどはなく、穏やかに嫌味や皮肉を言うタイプ。

 

言われたミクさんも、長い間、「夫の言うことはもっともだ」「ダメなのは私」と思い込んでいたそうです。

 

「キツい言葉や言い方だと、こっちもカッとくるんですが、夫はそういう言い方はしない。本人も嫌味ですらないと思っているはず。

 

思ったことをやんわりと、つぶやいているだけだと思ってるんじゃないでしょうか」

 

ただ、そういう言葉はじわじわとボディブローのように効いてくるものです。

 

ミクさんは、ひとり娘を保育園に預けて働き始めたのですが、職場でも保育園でも口グセのように「ごめんなさい」を連発すると、周囲から指摘されました。

 

「あなたが悪いわけじゃないのに、どうしてそんなに謝るの?と職場で何度も言われたんです。

 

そういえば私、夫に対して『ごめんなさい』『私が悪かった』といつも言っている。

 

そうすることで夫からの嫌味や皮肉を避けようとしていたのかもしれません。でも私も無意識なんですよ…。ただ、他人からみると、妙に卑屈に映ることがあるみたいで」