39歳まで専業主婦だった藤﨑忍さん。2018年にドムドムハンバーガーの社長に就任し、大きな話題を呼びました。彼女の人生初の職場がなんとギャルの聖地「渋谷109」。大変そうに見える環境ですが、本人は楽しかったと振り返ります。その経験、話してもらえませんか?(全3回中の1回)
39歳でギャルの聖地だった「渋谷109」で働くことに
ずっと専業主婦だった藤﨑さんが初めて仕事に就いたのは39歳のとき。夫が心筋梗塞で倒れたのがきっかけでした。息子も中学生で、まだまだ教育費もかかります。
そこで家計を支えるため、知人から紹介された渋谷109のアパレルショップで、店長として働き始めました。
「よく“若い人ばかりの109で働くのに抵抗はありませんでしたか?”と聞かれるのですが、これまで知らなかった世界で毎日が新鮮でワクワクしていました。
それに、働いたことのない私が就職活動をしても、簡単には仕事は決まらなかったと思います。紹介していただけて本当にありがたかったですね」
若いスタッフたちと毎日一緒に働き、ときには食事をするうちに、すぐに打ち解け、仲良くなりました。
「“理解できない世代”と思わず、彼女たちを“109の文化をよく知る先輩”として、尊敬しました。ファッション、髪型、ネイルなど学ぶことは多くありました。
彼女たちからしても、私はお母さんみたいな存在だったのかもしれません」
そんな職場で、売上を向上させるため、藤崎さんは次々と改善に着手していきます。売り場を清潔に保つために汚れたカーテンを取り替える、売れる洋服は色違いも仕入れるなど、試行錯誤が続きました。
「“職場はこういうもの”みたいな先入観がないから、目についたところや気づいた点からすぐに変えていけたんだと思います。課題を解決するうちに、右肩上がりに売上は伸びました」