歌手の倖田來未さんや俳優の芦田愛菜さんのモノマネで人気の、やしろ優さん。ブレイクのきっかけになった倖田來未さんのモノマネは、倖田さん本人“公認”で、今年1月にやしろさんが第一子を出産した際も、自宅までお祝いにきてくれたそう。お二人の親交について、お伺いしました(全5回中の3回)。
「何を歌ってもくーちゃんになってるよ」
── 芸能界に入ったのは、お笑いがもともと好きだったからだとか。
やしろさん:はい。もともと高校生のときから、お笑い芸人をやりたいなと思っていたんです。親に言ったら、「ずっとやりたがっていた保育士の免許を取ってからでも良いんじゃない?」とアドバイスをもらって。
それで、短大に入って保育士の免許を取ってから、ワタナベエンターテインメントのスクールに入りました。
── やしろさんはブレイクまで早かったイメージがあるのですが、いわゆる下積み時代もあったんでしょうか?
やしろさん:一応あったんですけど…、でも私、全部楽しめちゃうから。バイト時代もめちゃくちゃ楽しくて、バイトも毎日行くのが楽しかったし。
── バイトは何をされていたんですか?
やしろさん:ドン・キホーテの総合レジをやってたんですけど、レジが楽しすぎて。
なんでも楽しめてきた人生でした。でも、1回ワタナベのスクールを卒業するときに、すぐ事務所所属でデビューできるチームと、所属になれずライブから始めるチームがあるんですけど、私は後者で、すぐに所属にはなれなかったんです。
2年間ライブに出続けて、事務所所属になれるまで頑張るという時間は、私的には挫折というか、なんでも楽しめる性格だけど、さすがにきつかったこともありました。
そのときに、ものまねに出会えたんです。倖田來未さんのネタをやってたら、『ものまねグランプリ』(日本テレビ)のオーディションに受かって、そこから事務所所属にさせていただいた感じでした。
── 倖田さんのネタは、もともと歌声が似てると指摘されたことがきっかけだったそうですね。
やしろさん:そうなんです。倖田來未さんのファンで、友達とカラオケに行ったときに「なにを歌ってもくーちゃんになってるよ」って言われて。しゃべりもできれば、ネタにできるかもと思って、しゃべりを研究したんです。
「ものまねグランプリ」では、倖田來未さんをものまねされる方はいっぱいいたんですけど、みんな細いし、おきれいなんですよ。
太っててしゃべれる倖田來未はなかなかいなかったから、採用していただいて…というのがきっかけでした。
── やしろさんのネタは、倖田來未さん公認なんですよね。
やしろさん:そうなんです。
「ものまねグランプリ」に出たてのときにテレビを見てくださって。それで、「ライブ、1回見に来て」って言ってくださったのをきっかけに、お会いするようになったんです。
で、ある日のフェスでお会いしたときに、LINE交換をしたんですよね。「LINE、教えてくれるんだ!」みたいな(笑)。
倖田來未からLINEで「行く行く~」
── お子さんが産まれたとき、お祝いに倖田來未さんがいらっしゃったとか?親交があるんですね。
やしろさん:びっくりですよね(笑)。子どもが産まれてネット記事が出たときに「ゆうちゃん、おめでとう!お祝いしに行くわ」ってLINEが来たんです。
「えっ??」と思って。慌てて「来てくれるんですか?」と返したら、軽い感じで「行く行く~」みたいな(笑)。それで、本当におひとりでうちにお祝いに来てくださったんです!すごくフレンドリーで、全然気取ってない方なんですよ。
うちに来て早々「今日はしんちゃん(やしろさんの夫)おらへんの?」とか、うちの旦那さんの名前も呼んでくださって。もう、びっくりですよね。
── ものまね芸人の方と、ものまねされる側の人は、あまり仲が良くないものと思っていました。
やしろさん:私も最初に倖田さんにお会いするとき、お腹を出して「どうも、倖田來未です~」とかやってるの、めっちゃ怒られるんじゃないかと思ってたんです。でも、倖田さんはめちゃくちゃフレンドリーで「どんどんやって」って言ってくれて。
「でも、うち、こんなしゃべり方してるん?」みたいな(笑)。
たまにお会いすると「昔のDVDのトーク見たんやけど、ゆうちゃんやったわ(笑)」とか言ってくださって。本当に心が広い方で、ライブに招待していただいて、終わった後、楽屋にご挨拶に行くと「今日のトーク、使えるとこあった?」とか言ってくださるんですよ。すごくやさしいんです。
「20歳になった芦田愛菜ちゃんとお酒が飲みたい」
── 素敵ですね。そこから芦田愛菜さんのモノマネに、どうたどり着くんでしょうか?
やしろさん:愛菜ちゃんは『Mother』(日本テレビ)というドラマを見て、「すごい子役さんだな」と思ったんです。
「この子が大人になったらどうなるのかな。沢尻エリカさんみたいになるのかな」とかいろいろ考えてたら、「ネタにしたいな」と思うようになって。
『Mother』で芦田さんが電話をしているシーンを何度も見て練習して、「35歳になった芦田愛菜だよ」と、ライブに出るようになったんです。
モノマネで「芦田愛菜だよ」と自分から名前を言うのはタブーだ、とか、「全然似てない」とか言われたりしてたんですけど、私はやってる自分が楽しくて。
自分を信じでやり続けてたら、たまたま、とんねるずさんの番組でオーディションに受かったんです。そこで愛菜ちゃんのネタをやったら、とんねるずさんがすごい笑ってくださったんです。そこからテレビでやるようになったのがきっかけですね。
── 芦田さんにはお会いになったことは?
やしろさん:控室でご挨拶はしたことあるんですけど、ちゃんと公式で会ったことはないですね。
── 芦田さんも子役時代から成長されて、もうすぐ成人ですね。
やしろさん:そうなんですよ。愛菜ちゃんが20歳になって、お酒が飲めるようになったら、ふたりで酒飲みロケとかやりたいなという夢はひっそりとあります(笑)。しっぽり飲みながら語り合いたいですね。
PROFILE やしろ優さん
1987年生まれ。短大で保育士などの資格を取得後、お笑いの道へ。倖田來未や芦田愛菜のモノマネでブレイク。2016年に結婚、2022年1月に第一子出産。
取材・文/市岡ひかり 撮影/植田真紗美