「女性初」より当たり前になっていくための一歩に

── 2015年に国際審判員になり、今年9月には女性初のJ1の主審を務めたことは、大きなニュースになりました。7月に女性として初のプロフェッショナルレフェリー契約を日本サッカー協会と結ばれたのも記憶に新しいです。

 

山下さん:
「これも、上を目指して着々と、という感じではないんです。目の前の試合でより良いジャッジをして、サッカーのために貢献したいと考え続けていまに至ります。

 

“女性初”、“史上初”と言われることが増えて、そのこと自体に違和感はありませんが、この道を切り拓いた先輩たちがいればこそ。

 

女性の1級審判員認定は私で通算4人目、現在の1級審判員212人の中に女性は2人います。

 

2021年には、なでしこリーグを発展させた女子プロサッカーリーグ『WEリーグ』が発足しました。

 

ニュースや試合を通じて、女性審判の存在や女子サッカーに注目していただけると嬉しいです」

 

PROFILE 山下良美さん

1986年東京都出身。プロフェッショナルレフェリー。東京都立西高校、東京学芸大学女子サッカー部を経て女子サッカークラブチームで2014年まで選手として活躍。2015年国際主審に。2022年9月女性初のJ1試合主審、11月のFIFAワールドカップカタール2022審判員選出。


取材・文/岡本聡子 撮影/上田涼太 画像提供/JFA・山下良美