「失敗してもいい」大事なのは子どもの自己決定
新方小では、職員室の前に「野菜が購入できます」と書かれた看板を設置しています。
体育館の裏には「新方農園」と呼ばれる畑があり、子どもたちが作ったナスやきゅうり、トマトなどの旬の野菜を、保護者が購入していくのだとか。
「昨年まで野ざらしになっていた場所なのですが、『せっかくだから農園やってみない?』と声をかけたら、30人もの子どもたちが立候補してくれました。
地域の人に教えてもらいながら、みんなで野菜を育てています。夏は新鮮な野菜がたくさん採れるので、保護者が買いに来てくれるんですよ。
1つ10円で売っていて、売上金の使い道は子どもたち自身で決めます。
雑草が伸び放題になったり枯れてしまったり、うまくいかないことはあるけれど、失敗は来年に活かせばいいよねって、あくまでも楽しく活動していますよ」
失敗しても大丈夫だと思える環境で、自分の意思決定のもと、のびのびと活動する子どもたち。
自律性や自己肯定感が育まれる仕組みが、新方小のいたるところで垣間見えます。
「日本は自己肯定感の低い人が多いと言われていますが、その原因のひとつは教育にあると思っています。
大人が決めたことを言われるがままこなしていくだけの教育では、自信も自己肯定感も育まれません。
自分がどうしたいか考えて、まずはやってみることが大切。子どもたちには、自己決定の先にある成功と失敗を繰り返して、自信や自己肯定感を身につけていってほしいです」