夫は闘病中も弱音を吐かず、優しいままだった
── 現在はもうがんからご回復されているのでしょうか?
豊崎さん:
退院後に1年くらい通院して、ひと通りの抗がん剤治療と放射線治療を終えて寛解しました。今は定期的に再発していないかどうかのチェックに行っていますが、元気に暮らしています。
── がん治療を越えて、夫婦の関係性や夫への思いに変化は生まれましたか?
豊崎さん:
夫は遊ばなくなりましたね(笑)。生き方が変わったと言っていました。今はコロナ禍で使い回された言葉になってしまいましたが「この日常が当たり前って思わないようにしよう」という話はふたりでしましたね。
たとえばプライベートで旅行に行きたいとか、こんな仕事がしたいとか思ったときに、「またいつか」のタイミングが来るかなんてわからないから、何でも思いついたらすぐにしようと話しています。
夫はがんになる前も優しい人でしたし、がんになってからもそれは変わらなかったので、彼に対する見方が変わるということはなかったですね。闘病中も一貫して愚痴も弱音も吐かないし、私のことも心配してくれるし、本当に強い人だなと思いました。がんになっても変わらなかったことが、彼のすごいところだと思っています。
PROFILE 豊崎由里絵さん
1988年生まれ。兵庫県明石市出身。2013年、MBS(毎日放送)に入社。「痛快!明石家電視台」「プレバト!!」のアシスタントなどを担当し、2019年に退社。2020年からアミューズに所属し、現在はタレント、フリーアナウンサーとして活動。自身のYouTubeチャンネル「とよチャンネル」では男の子ふたりの育児について発信している。
取材・文/荘司結有 撮影/CHANTO WEB NEWS 写真提供/豊崎由里絵