自分と同じ髪型してたのに

夫とおもちゃで遊ぶ子ども達。広い部屋でもベッタリ一緒。

── ところで、お子さんたちは、山田さんのお仕事について知っていますか?

 

山田さん:
長男は小学校2年生くらいのときに、友達に言われたらしいです。学校から帰ってきたら、「ママ、吉本新喜劇に出てるんでしょ?」って聞いてきました。「いや、似てる人やん」「絶対ママだよ!」ってなって。

 

しばらくして、子どもたちも何回か舞台も観に来ましたし、楽屋でも遊ばせたりしています。次男も最近分かってきたみたいですね。

 

── 2人のお子さんも理解されていると。

 

山田さん:
ただ、授業参観とか運動会は、絶対に参加できなくなりました。子どもたちも成長して、友達の前とか、いろいろ恥ずかしくなったんだと思います。

 

そもそも、私が芸能人と気づかれる前に、何度か授業参観に行っていましたが、上の子からこう言われたんです。

 

「他のお母さんはスカート履いて、髪の毛がもっと長いのに、お母さんはいつもズボン履いてる。髪の毛も短いから、男みたいで嫌だ」って。

 

子どもたちがもっと小さいときは、私が息子たちの髪の毛をカットしていたので、自分と同じ髪型にしてたんですけどね。

 

今は、私が運動会に行かない代わりに夫が行って、ビデオを撮ってきてくれます。学校行事とか、PTAみたいな役回りも、基本的に夫がやってくれます。

あまり高級なものは食べさせない

── お子さんたちは、山田さんの舞台のお話とか、お笑いについて何か感想を言われることはありますか?

 

山田さん:
前に子どもたちが舞台を観にきた日があって。その夜、子どもがおもちゃを片づけなくて、私が怒ったんです。すると、子どもが泣きながら「僕もツラいんだ!ママのギャグで、無理やり笑ったんだ」って言い出して。

 

気をつかわせて悪かったなって思ったことはありました。

 

あとは、舞台というより、子どもたちはYouTube漫才を見てるみたいですね。お芝居は長いけど、漫才はテンポもあって好きみたいです。

 

── 母になって意識していることはありますか?

 

山田さん:
あるかなぁ。子どもが生まれるまでは、あまりご飯も作らなかったんですよ。お酒を飲むから、酒のアテを作るくらいで。夫も食が細いからあまり食べないし。

 

子どもが生まれてからは、栄養を考えて3食作るようになりました。自分もお弁当を作って仕事に行ったり、健康に気をつけるようになりましたね。

 

あとは、芸能人だからと言って、あまり贅沢をさせない。普通に生活をさせるようにしています。

 

── 華美になりすぎないような、ということですか?

 

山田さん:
新喜劇の先輩とか家に遊びに来てくれたときは、「テレビに出てる人が家にいる!」って子どもたちはびっくりしていたけれど。普段は、あまり高級なものを食べさせない。高級なところには行かない。おこづかいとかお年玉とかすべて、いたって普通の生活を送るようにはしてます。

 

PROFILE  山田花子さん

やまだはなこ。75年大阪出身。中学生のときにバラエティ番組「4時ですよ〜だ」(MBS)に一般人として出演し、中学生の頃からタレント活動を始め、1988年に吉本興業よりデビュー。吉本新喜劇、テレビほかでも活躍。

 

取材・文/松永怜 写真提供/吉本興業