8月に行われたBillboard Live YOKOHAMAでの公演の様子

「麗しいピアノの音色を届けるという天命」のため、昨年4月にTikTokに降り立ち、人気テレビ番組「TEPPEN」にも登場して話題となった五条院凌さん。超ゴージャスな外見、独特の口調、壮絶さすら感じる演奏スタイルに目を奪われますが、その背景には深い思いがあります。今回は、五條院さんご本人の「特徴的な表現をそのまま」にリアルなメッセージとしてお届けします。

コロナ禍で向き合って「ピアノで人を癒したい」

── 2021年4月にTikTokで活動を開始し、MXTV「五時に夢中!」を経て開始3か月でフォロワー数が15万人超え。その後「TEPPEN」(ピアノ対決)に出演され話題になりましたね。イメージ戦略や動画の内容はもちろんですが、五条院さんの演奏には、ときにはっとするような壮絶さや熱情を感じます。

 

五条院さん:
「ピアノ=わたくし」であり、皆様に麗しい音色をお届けすることがお天命だと考えておりますので、大変ありがたいお言葉です。

 

わたくし、すべてに最大限の敬意を払い、品位を大切にしながらお話したいと思っております。五条院凌ワールドをご理解いただけると嬉しいです。

 

お話を戻しますと、もともと美しいものや音楽を心から愛していたわたくしですが、五条院凌が生まれるきっかけは2020年のことです。

 

ピアニストとして様々な活動を続けてきましたが、コロナで演奏の場を奪われて孤独な中、大きな喪失感を感じるできごとが立て続けに起き、“人前に出るのも嫌”、“自信も持てない”状態を経験いたしました。

 

どうすることもできない現実を前に、行き場のない悲しみを抱え、このままでは音楽家としてダメになってしまうのでは、とまで思いつめたのです。

 

と同時に、きっとわたくし以外にも多くの方々がこの現実世界に心を痛め、それぞれのご事情で苦しんでいるのではないかと思いました。

 

それならば、自分の命のような存在であるピアノを通して、誰かの悲しみや苦しみを少しでも癒せないかと考えたのです。