出産直後に大きなショックを
出産直後の様子を結衣さんが振り返ります。
「出産直前までの検診で、健康状態に問題はないと言われていたので、産まれた直後の賀久を見たときはとても驚き、ショックを受けてしまいました。
医師に“大丈夫ですか?”と聞いても“わかりません”と言うだけで…。
実は検診のときに、息子の顔が見えていればこの病気にかかっていることがわかったのかもしれませんが、手足で顔を隠しているような状態だったので。
もしかして、恥ずかしがっていたのかな、と今では思っています」
分厚い皮膚に覆われたような賀久くんが集中治療室を出て、自宅に帰れることになったのは誕生から3か月後でした。
そのときから結衣さんは、ブログ(『産まれてすぐピエロと呼ばれた息子』)で賀久くんやその病気について発信しようと考えたそうです。
家族に内緒で始めたブログ
「病院という守られたところから出て家に帰る道すがら、賀久を見て避けられたらどうしよう、心ないことを言われたられたらどうしようと、とてもつらい思いをしました。
でも逆に、病気のことを知ってもらえれば、世間の不安や偏見もなくなるのではと思い、始めることにしました」
最初は夫の陽平さんにも内緒で始めたブログですが、書籍を出版し、最近では陽平さんがTwitterやTikTokでも発信。
ラジオにも出演し、テレビ局が定期的に取材した動画がYouTubeでも配信されています。
「世間の人に知ってもらい、本当によかったと思います。
温かいコメントも多いですし、外で声をかけられるときも“なんなん、この子?”“うつるの?”から、“あ!YouTubeのガクくんや!”と前向きなものに変わってきました。
来年から通う小学校のお兄さんやお姉さんも、“学校で待っているね”と声をかけてくれて、すごくうれしいです」