“かわいい”の土台には、味と素材へのこだわりが
── これだけ多くの企業やキャラクターとコラボされてきた理由は何だと思われますか。
イクミママさん:
いちばんは、人とのご縁ですね。文具メーカーの社長とのご縁がなければコラボ商品は販売できなかったと思います。
それに、キャラクターを愛するスタッフやファンの方がきっかけを作ってくれました。そんなキャラクターの作者様やファンの皆さんの想いを裏切らないように、担当スタッフ一人ひとりが細かなところまで気を配ってドーナツ作りと向き合っています。
もう一つは、素材へのこだわりです。
もともと動物モチーフのドーナツを作り始めたのは、少しでも多くの方にうちのドーナツを知っていただきたかったからなんです。
夫と2人でお店を始めたときから、どなたにも安心して食べていただけるドーナツを作りたいという思いで、原材料にはこだわっています。
たとえば、卵は広々とした敷地で放し飼いされている鶏の有精卵を使っていますし、バターや小麦粉、油なども手間暇を惜しまずに安全性にこだわっている生産者から購入しています。合成着色料や防腐剤は使っていません。
合成着色料を使わないので、キャラクターの色を作るのに苦労することもありますが、安心できる素材でおいしいドーナツを作ることが大前提なんです。
コラボしてくださる企業の方からも「信頼しています」と言っていただけるのは、そのおかげだと思っています。
── これからもいろいろなコラボドーナツが登場するのでしょうか。
イクミママさん:
すでに来年度のコラボ商品の企画が進んでいます。10月19日からは「すみっコぐらし」の10周年を記念したコラボドーナツが発売されます。
定番のどうぶつドーナツにも、ハロウィンやクリスマスなど季節限定の商品が登場します。Twitterでお知らせしますので、ぜひチェックしてください。
PROFILE 中尾育美(イクミママ)さん
「イクミママのどうぶつドーナツ」オーナードーナツパティシエ。京都で料理関係の仕事をする母、創作料理店を営む兄など料理一家で育つ。2011年に神奈川県川崎市に「イクミママのどうぶつドーナツ」をオープン。全国のポップアップ店舗や通信販売でもどうぶつドーナツやコラボドーナツを販売している。ネコ好きで4匹のネコと同居中。
取材・文/林優子 写真提供/イクミママ