「きこりになりたい!」募集もしていないのに、履歴書を送っては林業会社の社長の講演会へも押しかける。念願かなって、きこりとなった飯塚潤子さん。細身の女性が体力勝負で危険をともなう仕事に何を見出したのでしょう?鮮やかな青い空、生いしげる新緑の山に囲まれた東京・檜原村にある彼女の職場を訪ねました。

東京大学で森林環境を学ぶも…

子どもの頃から環境問題に興味があった飯塚さん。高校卒業後、東京大学に入学。農学部森林環境科学科で森林土壌や森林政策、動植物など、森林に関するあらゆることを学びました。

 

「授業のなかで、“日本の森林は育ってきている。木々は材木として使いどきを迎えているのに、手入れがされないため、荒廃しつつある”と知りました。

 

しかも、海外では違法伐採をしているとの話も聞き、“国内の木を活用すればいいのに、なんでそれができないんだろう”と疑問に思ったんです。

 

こうした状況を知り、いずれは森林や環境問題に取り組む仕事に就きたいと考えるようになりました」

 

とはいえ、視野を広げたかったため、新卒時はあえて別の職種に。一般的な社会人としてのマナーやビジネス感覚を身につけようと、国際見本市を主催するイベント会社に就職しました。