講演会はスタンドアップコメディ
── 乳がんを経験してから、がん撲滅チャリティや講演会などの活動も始められました。
山田さん:
講演会というと、真面目で堅苦しいイメージがあるかもしれません。でも講演はピン芸人の私にとって、完全にスタンドアップコメディの舞台です。
マイク1本で、全然大丈夫。もう会場中に、ドッカンドッカン笑いの渦を巻き起こしますよ。自分でもときどき「私って、すごい!」と、しびれるときがあるくらい(笑)。15分と言われたら15分、2時間と言われたら2時間、時間通りにできますし。
── YouTube「山田邦子 クニチャンネル」でも、ほぼ編集なしで話されていて、なかなかできない技術だと思っていました。決めた時間で話をまとめるスキルは、講演の経験で磨かれたのですか?
山田さん:
若手芸人たちからも、「なんで1人だけであんなに、編集なしでいけるんですか!?」って聞かれますけど、編集するの面倒じゃないですか(笑)。
ピン芸人ですから、1人でしゃべるのは慣れていますし、楽しんで聞いていただけるように話をするのも、ずっとやってきたことです。
その芸人としての仕事が講演に活かされて、がんになったことで始めた講演会で時間の感覚が身について、その後のYouTubeの活動に役立っている…。乳がんになったことも含めて、どんなこともみんなつながって、今があるんだと思いますね。
PROFILE 山田邦子さん
1960年東京都生まれ。お笑い芸人、タレント、女優、歌手、漫談家のほか、「山田邦子 クニチャンネル」でYouTuberとしても活動。10月12日には歌謡曲ミニアルバム『ザ・山田邦子カーニバル!』が発売された。
取材・文/鍬田美穂 撮影/渡邉茂樹