託児バスで「子どもの車内での熱中症事故を減らしたい」

── サバスを成功させ、次は「託児バス」の企画を進めているそうですね。

 

松原さん:
サバスはエンタメ的な要素が強い企画だったので、次は社会課題に結びつくものが作れたらいいなと考えていました。

 

例えば毎年、夏になるとお子さんが車の中に放置されて熱中症になって…という事故が起きています。買い物や美容院、行政の手続きに行くあいだなど、1〜2時間だけ、手を離したいタイミングはあると思うんです。そんなときにお子さんを安全な環境でお預かりできる車があればいいなと思いました。

 

── 具体的にはどのような運営を目指しているのでしょう?

 

松原さん:
企業の送迎車に使われていた廃バスの車内を丸ごとプレイルームにして、保育士や看護師がお子さんの面倒を見るという形です。大阪のタクシー会社とタッグを組み、11月から運行を始めるために準備を進めています。

 

基本的には施設にお貸し出しして、人が集まる商店街や商業施設、市役所の駐車場などに置いてもらえたらいいなと。常に「バスを何に活用したら面白いだろう」とアイデアを温めているので、これからもこうした“移動する施設”を作っていきたいです。

 

PROFILE 松原安理佐さん

1993年生まれ、兵庫県姫路市出身、株式会社「リバース」代表。2015年に神姫バスに入社。不動産事業部、事業戦略部を経て、2021年にリバースを創業。2022年2月に移動式サウナバス「サバス」を完成させた。

 

取材・文・撮影/荘司結有 写真提供/株式会社リバース