同じベッドで寝ている親子の日常を描いた漫画がTwitterで話題となり、6.8万件の「いいね 」を獲得した漫画家の田辺ヒカリさん。事件が起こったときのことや現在4歳のお子さんとのほのぼのとした日常を描いた漫画制作の裏側について聞きました。
落書きのつもりでアップした1コマの漫画が評判に
── SNSでアップされたお子さんの寝相の悪さを描いた1コマ漫画では、「あるある!」とたくさんの共感の声が寄せられていましたね。
田辺さん:
あれは本当に落書きみたいな感じでアップしただけだったので、すごくたくさんのコメントをいただいて驚いています。世の中のお父さんお母さんたちも、日々大変な思いをしているんだなと実感しました(笑)。
── 私も似たような経験があって。就寝中に娘が突然起き上がってきて、何の躊躇もなく私の上にバタンと倒れてきたんですよ。声にならないほど痛かったです…。
田辺さん:
当事者は本当に大変な思いをしているんですけど、なぜか育児の苦労話って聞いているぶんにはすごくほっこりしますよね(笑)。
── SNSでは積極的に発信されていて、コメントもたくさんついていますね。
田辺さん:
もともとのファンと、SNSをきっかけに知ってくださった方の両方からコメントをいただけてありがたいですね。個人的なSNSにアップする漫画でも商業漫画でも、ネガティブではなく、ほっこりできる内容を意識しています。
── 確かに、ときどき読んでいて辛くなる内容の育児漫画もあるかも…。
田辺さん:
自分はネガティブな情報を見たら、共感しすぎて引っ張られちゃうタイプ。だから、自分が描くときはできるだけ明るい話題にしたいし、「誰かが不快にならない内容にしよう」と決めています。普段からとクスッと笑えた瞬間や面白いと思った出来事を、スマホのメモ帳に書き留めて作品に活かしています。
きっかけは「ほぼ日手帳」の育児日記
── 最初に、育児日記をアップしたきっかけは何ですか?
田辺さん:
『ほぼ日手帳』にアナログで絵日記を描いていて、それをSNSにアップしていったのがきっかけです。誰かに作品を見てもらったり、褒められたりするのがモチベーションとなって続けられたっていうのはありますね。娘が生まれる前から描いていたので、その流れで今に至っています。
── 今どれぐらいのペースでお仕事をされていますか。
田辺さん:
隔月掲載のものも含めて連載は3本、あとは読みきりの漫画を単発で描かせてもらっています。その合間を縫ってSNSに投稿する趣味の育児漫画やイラストを描いています。
── お子さんを保育園や幼稚園に預けている間だと、仕事の時間がかなり限られてしまいますよね。
田辺さん:
そうですね。娘は今は幼稚園に通っているので、あっという間に帰ってきますし。特に締め切り前は忙しくなってくるので、娘を寝かしつけた後に横で細々と描いています。もはや寝室と仕事場を兼ねている感じで(笑)。