「小学校の文集にオリンピックに出たいと思わず書いた」と語る金城(旧姓・川井)梨紗子選手。2021年の東京五輪ではその願いが叶い、57キロ級で金メダルを獲得しました。その直後に結婚を発表し、今年5月には女児を出産。現在は育児をしながらレスリング選手として新たなスタートに立っています。20年以上レスリングを続けてきた金城選手に、これまでの軌跡と今の思いを聞きました(全3回中の1回目)。
子どもの頃から漠然と「オリンピック出場」を意識
── レスリングは小学2年生から始められたそうですね。当時、女の子がレスリングというのはまだ珍しかったと思いますが、どのような経緯で始められたのですか?
金城さん:
両親がともにレスリング経験者だったので、自然な流れでした。周りにも、両親や従妹が習っていたのがきっかけで始めたという友達が多かったかもしれません。
── ご両親からレスリングを教わったことも?
金城さん:
実際に両親が現役でレスリングをしている姿は見たことがなくて。私がレスリングに通うようになったときに、たまたま「指導者がたりない」という話が出て、母が指導のサポートをすることになったのですが、それまでは教わったこともなかったです。
── 周りからレスリング教室に行っていることを珍しがられたり、女の子がレスリングを習うのは危険だ、というようなことを言われたことはなかったのでしょうか。
金城さん:
私の母の時代には、そういうこともあったようです。当時、レスリングは(石川県の)金沢で習っていましたが、同じチームに女の子もいたし、そこまで「女の子なのに」という違和感はなかったですね。