大ヒット絵本『しろくまのパンツ』や『パンダ銭湯』など50冊ほどの絵本を次々と世に出しているtupera tuperaさん(亀山達矢さんと中川敦子さん)。ユニット結成から20年、結婚して15年。おふたりの夫婦関係や家族のことについて伺いました。

 

亀山達矢さんと中川敦子さん

子どもとの時間が密接で尊いものに

── ご夫婦でユニットを組んで20年とお聞きしました。仕事と家事・育児に関して夫婦に変化はありましたか。

 

tupera tupera(中川さん):
ユニットを結成してから5年、30歳で結婚して、その年に出産しました。出産してからも、これまで通りに仕事を続けられると思っていたのですが、出産後の風景は、予想していたものとはまったく違いました。

 

自分の身体の中から、もう一つの生命体がうまれ、すべてのことが初体験。私たちはもともと自宅で仕事をしていたので、つねに父親である亀山の手も借りられる状態ではあったのですが、最初の時期は特に、まだ赤ちゃんと母親は一心同体。どうしても子育て中心になりますよね。

 

赤ちゃんとの生活を楽しんではいましたが、仕事ができないジレンマや自分が自分ではなくなってしまったような感覚に襲われ、「産後うつ」のような状態になった時期もありました。精神(ホルモン)のバランスも少し崩れていたのかもしれません。

 

でも、だんだんと心も身体も母親というものに慣れてくると、今度は子どもとゆっくりした時間を過ごしていく生活を大切にしたいと思うようになりました。そのため、子どもが1~2歳までの間は仕事よりも子どもを優先する日々でした。

 

── 亀山さんは家事や育児に関して、どのような形で関わっていましたか?

 

tupera tupera(亀山さん):
今もそうですが、家事に関しては手が空いているほうができることを分担してやっています。仕事と同じように最初から役割を決めずに、得意な家事、好きな家事をやっています。どっちも嫌なことはジャンケンしたりして(笑)。

 

中川のほうが仕事で大変なときは「僕が夕飯作るから、その間に仕事進めておいてー」と、キッチンに立つことも多いです。でも子育てとなると、夫婦が同じようにという訳にはいきませんよね。

 

tupera tupera(中川さん):
すべて、男女平等、性差別なしというのは、やっぱり難しい。出産という肉体的な変化を実感している母親と、生まれてきた子どもを見てからはじめて、父親なんだと意識し始める父親では、スタートが大きく違う。

 

最初の段階では、男性が手伝えることも限られてますしね。子育てにおいて、子どもが求めるのは圧倒的に母親なんですよね。

 

私自身、子どもから求められる存在でいることで強くなれたし、子どもとの密接な時間が、どんどん尊いものになりました。子どもが大きくなった今でも、寝顔を見たりすると癒されますよ。