飯豊さんとの心の距離の変化

── 飯豊さんの声の演技はどのように感じましたか?

 

鈴鹿さん:
すごく聞きやすくて、すーっと真っ直ぐに届く声だと思いました。

 

僕が演じ方に悩んでいるときには、「こういう方法もあるよ」とアドバイスもたくさんしてもらって助けてもらいました。

 

二人でいろいろ話しながら収録できたので、僕と飯豊さんとの心の距離の変化が、カオルとあんずの関係の変化にもうまく出たような気がしています。

 

飯豊さんとの共演を振り返る鈴鹿さん

── 出来上がった映像を観たときの感想を教えてください。

 

鈴鹿さん:
とても綺麗で、この世界に行きたいと思ったし、この夏っていいなと思いました。

 

問題を抱えている二人が、自分らしい人生、自分らしい道を見つけて成長していく物語が描かれているので、「後悔しないように生きよう!」と前向きになれるし、心に響くメッセージも感じます。

 

音楽も歌詞を見ながら聴くとよりグッとくるものがあり、それぞれのキャラクターの心情に寄り添っていてすごく感動しました。

声をかけにくいクラスメイトがいたら…

── ちなみに、あんずのようにちょっと声をかけにくい雰囲気を持ったクラスメイトがいたら…。鈴鹿さんは声をかけられるタイプですか?

 

鈴鹿さん:
かけられないです。反発されたらどうしようと思っちゃうので。

 

でも、あんずのような子は気になって見ちゃうと思います。本を読んでいれば「何読んでるのかな」と気になるし、秘密めいている感じだったら「秘密を知りたい」と思って見ちゃうかもしれません。

 

「秘密めいた子だと気になって見ちゃうかも」と鈴鹿さん

── 今回の経験で、今後の映像のお仕事にも活かせると感じる部分はありましたか?

 

鈴鹿さん:
いつもとは違う表現だったので、自分のお芝居を見直すきっかけにもなりました。

 

違う世界に飛び込むのは、難しいこともあるけれどたくさんの刺激をもらえます。そういう場所にいられる時間を持てたことがすごく幸せです。

 

今ははっきりわからないけれど、いつか「この経験がプラスになった」と思える日が来るような気がしています。そんな期待ができるいい経験でした。

 

<作品情報>

アニメ映画『夏へのトンネル、さよならの出口』
公開中
声の出演:鈴鹿央士、飯豊まりえ、畠中祐、⼩宮有紗、照井春佳、⼩⼭⼒也、⼩林星蘭
原作:八目迷「夏へのトンネル、さよならの出口」(小学館「ガガガ文庫」刊)
監督:田口智久
アニメーション制作:CLAP
配給:ポニーキャニオン
©2022 八目迷・小学館/映画『夏へのトンネル、さよならの出口』製作委員会
 

取材・文/タナカシノブ ヘアメイク/阿部孝介(traffic) スタイリスト/朝倉豊

衣装:シャツ、パンツ、ブーツ/ジョン メイソン スミス タンクトップ、ブレスレット/スタイリスト私物