働けない人には社会が手を差し伸べて
── 以前女性の自立をテーマに、ということもおっしゃっていたインタビューがありましたがそのお気持ちで撮られているのでしょうか。
荻上監督:
それは常に思っています。でも作品に入れる訳ではないです。
極端な話、女性も仕事を持ったほうがいいと思います。もし結婚して相手が嫌なやつだったとき、いつでも経済的に自立して生きていけるようにしておいたほうがいいんじゃないかと、すごく偏見かもしれないけれど、個人的には思います。
── でも今回の作品は自立している人たちというより、人に頼らないと生きていけない人たちを描いています。そして愛情深い目線がありましたが。
荻上監督:
確かにそうですね。だって、どうしても働けない人っているじゃないですか、よく若いときなんて、ホームレスをみて「なんで働かないんだろう、なんでも仕事あるんだから」っていう人がいるけれど、精神的なものだったり、そこには働けない理由があると思うのです。
生活保護を受けていらっしゃる方もその理由が確実にあるわけで、それに対して社会が、冷たいのはよくないと思うんですね。自己責任という言葉で終わったりしてるけれど、それは手を差し伸べる責任を放棄していると思います。
取材・文/天野佳代子 撮影/植田真紗美