感情が動いた梶裕貴さんの演技
── アニメーション映画『劇場版シティーハンター』や実写版『トムとジェリー』など、声優の経験も豊富ですが、実写と声だけの仕事との違いや難しさを感じているポイントを教えてください。
飯豊さん:
実写ではセリフがなくても“間”や目の動かし方ひとつで表情が伝わったりしますが、使えるのは声だけと制限されているのは大きな違いです。
以前『私の頭の中の消しゴム 9th letter』で朗読劇に挑戦したのですが、共演の梶裕貴さんの演技からすごく気持ちが伝わってきて、自然に涙が流れ感情が動きました。
抑揚もすごくナチュラルで、言葉が耳にすっと入ってくるのは、本当にすごいと思ったし、普段自分がやっているアプローチとは全然違うと感じました。
でもその違いも面白いと思いましたし、何よりアニメは、自分の顔を気にせずに思い切って演じられるところに惹かれます。
決められている顔に合わせて演じることがすごく面白くて、この朗読劇のときに「これからも声の仕事をやってみたい!」という強い思いが芽生えるきっかけになった作品でした。
── 役としてそして飯豊さん自身の心が動いた作品だったのですね。
飯豊さん:
あんず役は初めての高校生役でした。これまでいろいろな役をいただきましたが、まだ「自分の得意なものはコレ!」というのは、分からない状態なので、とにかくいろいろな役に挑戦したいです。