鈴鹿さんは「どこか不思議な人」

── 塔野カオル役の鈴鹿さんは声優初挑戦で、飯豊さんに「いろいろとアドバイスしてもらった」とおっしゃっていました。鈴鹿さんとの共演はいかがでしたか?

 

飯豊さん:
どこか不思議な方だと思いました。「衣装がないから気持ちが入らないかも〜」とか、思ったことをすぐ口にするので、聞いていてすごく面白かったです。

 

私のほうが少し年上だし、声の仕事の経験もあったけれど、だからといってリードするのは恥ずかしい気がして、最初は淡々と自分の役を演じていました。

 

ただ、何回もやり直しているシーンで、メンタルが気になることがあったので、そのときは、自分が分かる範囲の解決方法を伝えました。すっと取り入れて、やってのけてました(笑)。

 

すらりとした腕を下ろして微笑む飯豊さん

── 印象に残っているシーンはありますか?

 

飯豊さん:
塔野くんに床ドンをするシーンです。

 

「あなたが見ている世界、私にも見せて」と話すあんずに、塔野くんが「味気ない世界だよ」と答える、そのやりとりがすごく好きです。

 

登場人物がすごく少なく、まさに二人だけの世界。

 

その二人だけの世界で、恋なのか友情なのか分からないけれど、この二人がきっと忘れることのできない思い出になるという儚い感じ、今しかできないことのように感じられて「青春だな」と思いました。