全国の地域が共生していくためのひとつのソリューションに

── 最後に、今後の展望を教えてください。

 

永岡さん:
今後日本の人口が減っていくのは目に見えているなかで、この「おてつたび」というサービスを通してひとりが1役ではなく2役3役を担い、ときには地域にお手伝いに行ったり、ときには宿泊しに行って経済を回したりなど、誰もがさまざまな役割を楽しんで担える世界にしていきたいです。

 

このサービスを始めたときは、「お手伝いしに旅行にいくなんて、そんな人はいないよ」と失笑されることもありました。しかし現在、新しい旅のかたちであったり、地域とのかかわり方が見直されており、社会の価値観が変わってきていると思います。

 

人手不足解消がおてつたびのゴールではありません。おてつたびを通して地域のファンをつくり、ファンが何度も訪れたり、遠くにいても地域の商品を買ったりなど、全国どこにいてもみんなで支え合っていける世界をつくりたいと考えています。

 

全国の地域が共生していくための一つのソリューションになると信じて続けていきたいと思います。

 

 

「旅というものを、特別な観光地に特別な時に行くものではなく、『どこそこ?』と言われる地域にも日常的に誰もが足を運べるような、そんなカジュアルなものにしていきたい」という永岡さんの言葉が印象的でした。旅の概念が変わる未来がすぐそこにあるように感じるインタビューでした。

取材・文/渡部直子 写真提供/株式会社おてつたび