NHK連続テレビ小説『まれ』で、土屋太鳳さんの先輩パティシエ役でも注目された柊子さん(30)が、『誕生日の雨傘』(文藝春秋)で小説家としてデビューしました。俳優だけではなく、アイドルグループのメンバーだったことや、その作詞も手がけてきた柊子さんの経歴は、執筆にどんな影響を与えてたのでしょうか。
私自身も人間関係で苦労したことが…
「うれしいのと信じられない思いが、まぜこぜになった気持ちです」
8月10日に上梓されるデビュー作『誕生日の雨傘』についてそう語る柊子さん。
今回の作品は全4編で、3人の女子中学生が、いじめやスクールカースト、コロナなどの問題に悩みながらも、成長していく姿が描かれています。
「私自身も若いころは、学校での人間関係で苦労したことがあったので、その体験も基になっています。
なので、世の女性たちにも“そんなこと、あったね”と、うなずいてもらえるのではないかと思います」
どうしてあんなことで、悩んだのだろう
女子グループ内の独特な対人関係や序列は、多くの人が経験してきたもの。
「今となっては、どうしてあんなことで、悩んでいたんだろうと思うこともあります。
今の自分が14歳のときの自分に伝えるとすれば、“気にしないで”“学校がすべてではないよ”ということでしょうか。
そんな経験をしてきた人たちに寄り添えるような、お守りとなる作品になることができればと思っています」
そんな問題意識が、柊子さんを執筆に駆り立てた──というわけではないようです。
冒頭の「信じられない」という言葉にもあるように、柊子さんは作家志望だったわけではなく、小説を書こうとは夢にも思っていなかったとのこと。