地域の“ファミサポ”に頼ってよかった
── お子さんたちが小学生になってからも、シッターさんにお願いしていたのですか?
堀井さん:
いいえ、途中からは住んでいる町田市の子育て支援事業「ファミリー・サポート・センター」を利用していました。子どもの送迎や預かりなど、「子育ての手助けをしてほしい人」と「子育てに協力したい人」が、地域で相互援助を行う仕組みです。
堀井さん:
私の住まいは、親世代の方が多く住んでいる住宅街でした。市に申請して、証書をもらって、手助けしてくださる方の住所を訪ねてみると、「あれ? ここ? 近い!」みたいな(笑)。本当にご近所の方が、登録されていたんですね。
わずかな謝礼をお支払いするのですが、たしか1時間500円ぐらいだったかな(注:現在の「町田ファミリー・サポート・センター」は700〜900円)。それまでお給料のほとんどがシッター代で消えていたこともあり、金銭的にもずいぶん助かりました。
何より、ボランティア精神で「何かしたい」と登録してくださっている方々なので、皆さんのサービス精神やホスピタリティがすごくて。孫のように可愛がってくださったんです。
── 支援者のご自宅でお子さんを預かっていただけるんですね。預かってくださる方は固定ではなく、何名かいらっしゃるんですか?
堀井さん:
そうなんです。だから子どもたちにとっても、私にとっても、いろいろな経験ができてとてもよかったと思っています。よその家庭を見せるとか、ほかの家庭でコミュニケーションをとることってなかなかできないことですから。
ワンちゃんがいるおうちとか、ピアノがあるおうちとか…。手料理を出してくださるご家庭もありました。皆さん本当によくしてくださって、感謝しかありません。子どもたちもいまでもよく覚えていて、成人式の日には着物姿でご近所をまわったりもしました。
ファミリーサポート制度は各市町村にあるので、一時保育が必要な方はぜひ活用してみてほしいです。お母さん自身が1〜2時間でもフリーな時間を持てるという意味でも、とてもいい制度だと思います。