静岡に移住して「気持ちが解放された」

── ​結婚を機に局アナを辞めて、静岡に移住されました。それまで築き上げたキャリアを手放すのは、勇気のいる決断だったのでは?

 

竹内さん:
夫と出会って静岡に行くことになったときは、まだレギュラー番組を担当中でした。それらをすべてゼロにすることは不安もありましたし、周りからも心配されました。

 

でも、じつは当時、東京の暮らしに疲弊していて、環境を変えたいなと思っていたタイミングで。

 

だから、移住話が出たときも「面白そうだな、いいきっかけかもしれない」と前向きに考えました。

 

結果的に、これが大正解でした。仕事場とプライベートを過ごす家との距離が離れていることで、気持ちの切り替えがしやすく、心身の状態も健やかになりました。

 

── ​静岡への移住は、竹内さんにとっても、心が喜ぶ選択だったのですね。

 

竹内さん:
東京にいるときは、いつも周りと自分を比べていて、負けたくない気持ちもあって、どこか鎧をまとっているようで、ずっと息苦しさを抱えていました。

 

でも、静岡は人も空気もどこかゆったりとしていて、気持ちが解放されていく感覚があり、素の自分でいられることがすごく心地よいです。

 

服装も随分カジュアルになりましたし、ハイヒールも以前より履く機会が減りました。思いもしなかった人生の転機でしたが、今のライフスタイルがすごく気に入っています。

 

PROFILE 竹内由恵さん

1986年生まれ。東京都出身。2008年にテレビ朝日に入社。「ミュージックステーション」「やべっちF.C.」などで、MCやキャスターを担当し、2019年12月に退社。2020年よりアミューズに所属し、仕事を再開。現在はタレント、フリーアナウンサーとして活動。

取材・文/西尾英子 撮影/坂脇卓也 ヘアメイク/サユリ(nude. ) スタイリング/森外玖美子 画像提供/アミューズ