介護施設の訪問で食べたお米の味に衝撃を受けたお笑い芸人の次長課長・河本準一さん。訪れた児童養護施設ではお米が足りないと耳に入ってきた。米作りに関心をもち、プロデュースするように。「少しでも役に立つなら」と、時間をみつけて大分まで飛んで農作業に汗を流す。知られざる河本さんの現在地を聞いた(全3回中の2回)。
施設訪問で知った「美味しいお米が届かない」現実
── 河本さんが米作りに興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?
河本さん:
きっかけはいくつかあって、ひとつは僕がとある介護施設へ訪問したときのことです。
入居者の皆さんと一緒に食事をさせていただいたのですが、お米の質があまり良くないのか…。
── 正直美味しいと思えなかった?
河本さん:
はい。周りのおじいちゃんおばあちゃんの表情を見ても、あまり美味しそうに食べていないように見えました。
感情があまり出せない方や、口元に食べ物を運んだら口を開けるといった方も多いのですが、だからといってどんな味でもいいわけじゃない。
せっかくなら美味しいもので、少しでも笑顔になってもらいたいじゃないですか。
ちょうど同じ頃、児童養護施設へ訪問した際に職員さんに「何か困ったことはないですか」と尋ねると、お米が不足していると言うんです。
お年寄りにも子どもたちにも、どうにか美味しいお米を腹いっぱい食べさせてあげられないか。
そんな思いを巡らせているときに、ふと、過去に友人から食べさせてもらった大分・国東半島の朝来のお米のことを思い出しました。
驚くほど美味しかったのですが、そういえば、まだ全国では流通が少ないと言っていたなと。
それなら僕がお手伝いして、国東のお米を全国に食べてもらったり、施設へ届けたりする仕組みがつくれないかと思い、「準米」としてプロデュースすることになりました。